イタリア政府観光局(ENIT)は2013年9月11日、ローマ本局長アンドレア・バッビ氏の記者会見と、高速特急「イタロ」を運行する鉄道会社NTVのプレゼンテーションを開催した。
2012年12月に本局長に就任したバッビ氏は、今回が初来日。「年間の延べ宿泊者数260万人、消費額60億円を超える日本市場に対して、ますます力を入れていきたい」と日本市場を重視する認識を示し、「観光局のみならず、大使館や文化会館、貿易振興会、アリタリア航空(AZ)やNTVなど、観光に関わる機関や企業との連携を強め“システマ・イタリアーナ”で日本での取組みを強化していく」と語った。特に2015年に控えるミラノ万博に対してはイタリア国内で大きな期待が高まっているとし、「意見交換をしながら、皆さんとともにプロモーションに邁進したい」と旅行会社との協力体制で誘致していく方針を示した。
また、2013年7月に日本・アジア・オセアニア支局長に就任したリッカルド・ストラーノ氏は、メイン市場であるシニアとともに若い世代へのプロモーションを強化する方針。サッカーやデザイン、留学などの人気テーマのほか、音楽イベントやハイキング、サイクリングやウォータースポーツなど、若者に親和性の高い新素材を紹介しFITのみならず、ツアー造成も促していく。
日本人の訪問者数は増加傾向にあるなか、今後も「2020年の東京オリンピック開催決定効果で国内の経済状況がさらに上向けば、旅行者数はもっと増える」とし、2013年の延べ宿泊者数は2.5%~2.8%増、2014年、2015年にはそれぞれ3.3%程度の増加を見込む。2008年上海万博以来の大型博覧会(登録博)となる2015年のミラノ万博には、日本から50万人の誘致を目標としている。
なお、当日はNTVによるイタロのプレゼンテーションのほか、「イタリア観光サポーター」として招いたサッカー日本代表監督アルベルト・ザッケローニ氏がイタリアの魅力をアピール。特に実家がホテル業というザッケローニ氏は「おもてなしの心、イタリアのスピリットが感じられる。元旅行業者としてぜひ、イタリアに来てほしい。言葉に尽くせない素晴らしい魅力にあふれた国だ」と語った。
【写真】 右からENITローマ本局長アンドレア・バッビ氏、イタリア観光サポーターのサッカー日本代表監督アルベルト・ザッケローニ氏、ENIT日本・アジア・オセアニア支局長のリッカルド・ストラーノ氏、NTVヘッドセールマネージャーのエドモンド・ボスコスクーロ氏