国管轄26空港の収支試算、航空系事業で黒字は9空港にとどまる(平成23年度)

羽田国際線ターミナル

国土交通省はこのほど国が管理する全国26空港について平成23年度の(2011年)試算結果を公表した。これは企業会計の考え方を取り入れて、平成18年分から継続的に発表しているもの。それによると、収益面では、着陸料などの収入は全体で前年度の約636.5億円から約2%(約13億円)増加し、約649.3億円となった。羽田空港では前年度のD滑走路供用開始にともない増加したものの、その他の空港では震災による影響および使用機材の小型化により減少した。


▼EBITDA:航空事業系での黒字は9空港、羽田が最大

発表されたEBITDA(利払前税引前償却前営業利益)試算によると、東日本大震災の影響が残った仙台空港と乗降客数がゼロだった八尾空港を除いた24空港のうち、航空系事業で黒字になったのは9空港にとどまり、15空港では赤字となった。非航空系事業ではすべての空港で黒字。航空系事業と非航空系事業を合わせた試算では、黒字空港が18に対して赤字空港は6となった。

航空系事業で黒字となった空港のうち、最大のEBITDAとなったのは羽田空港で388億8900万円。このほか、新千歳空港も34億4400万円と高い実績を残した。非航空系事業では、同じく羽田空港が254億6600万円と最大となり、新千歳(57億9900万円)、福岡(47億6600万円)、那覇(38億6800万円)、広島(10億1100万円)と続いた。


▼費用面:整備事業完了で減少傾向へ

費用面を見ると、空港整備経費は全体で前年度の約789.2億円から大幅に減少し約134.4億円。これは、前年度の羽田空港でのD滑走路建設事業による特殊要因がなくなったため。仙台空港では東日本大震災からの復旧事業にともない増加したものの、その他の空港では以前から続いていた整備事業が完了したことなどにより減少した。


▼減価償却費:羽田空港を除いて資産減で減少

減価償却費については、全体で前年度の約366.5億円から約61%(約223億円)減少し、約589.5億円となった。羽田空港では前年度に供用開始となったD滑走路について、桟橋構造などの構造物の資産が増えたことで増加。一方、その他の空港では経年などの資産減で減少した。



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