海外サイトでのショッピング、旅行サービスは3%未満 -電子商取引市場(2)

経済産業省の2013年度の電子商取引(EC)に関する市場調査結果で、日米中3ヶ国相互間におけるEC市場規模が発表された。これによると、2012年に日本の事業者が中国、および米国の消費者に販売した額は1584億円。3ヶ国のうち、最も越境EC取引額が大きいのは米国の1819億円で、中国は377億円にとどまる。

一方、越境EC取引で消費者が購入した額は中国が2868億円で、米国の757億円、日本の155億円を大きく上回る。越境EC利用率を見ると、日本の17.6%、米国の44.7%に対し中国は57.3%で、6割近くの消費者が海外のECサイトを利用していることが分かる。今後の利用意向(「積極的に利用したい」と「機会があれば利用したい」の合計)も日本の64.9%、米国の66.3%に比べて中国は85.9%と高く、現在は利用していない消費者も51.5%の半数が利用意向を示しており、さらに伸びる可能性が大きい。

越境ECの購入商品は国によって異なるものの、全体的には「書籍・雑誌」、「衣服・アクセサリー」の人気が高い。旅行関係では、「旅行サービス(パック旅行申込み、ホテル予約を含む)」が、日本の消費者の利用率は米国のサイト、中国サイトともに3%未満と少ない。米国は日本のサイトが12.2%、中国のサイトが12.4%、中国は日本のサイトが14.9%、米国のサイトが16.4%と日本よりは高いものの、まだまだ成長する余地が残っている。

なお、今後の越境EC取引の市場規模だが、2020年には日本の事業者の販売額が3496億円~1兆328億円と推計。日本の消費者の購入額は183億円~427億円、米国の購入額は1380億円~1732億円、中国の購入額は6467億円~2兆1022億円と予測されており、最大で3ヶ国の越境EC市場は2兆3181億円になると推計。越境EC市場のポテンシャルが示された。

参考記事>>>

宿泊・旅行業はEC化率でトップ、市場規模は1.5兆円-電子商取引市場(1)



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