外国人が検索する日本の観光地は? 「食」のカテゴリーでは枝豆も人気

海外から日本の観光地やイベントがどのように検索されているのか――。検索トレンドを理解することは、外国人の日本の観光への期待やマインドを読み解くひとつの手段といえるだろう。訪日外国人の取込みを考える日本の旅行・観光関連に携わる方なら、知っておきたい外国人の日本に関する検索トレンドをレポートする。

今回紹介するデータは、グーグル(Google)が2013年末に発表したもの。2013年1月~11月に英語で検索された日本の観光関連キーワードのランキングが発表されたもので、日本に住む日本人には意外なキーワードも含まれている。


▼世界からの検索上位ランキング

まず、海外から英語で検索されている日本の観光/イベントのランキングで1位は「Mt.Fuji」、続いて2位が「Aokigahara」。いずれも富士山関連で、2013年は世界遺産に登録された話題性も理由として考えられる。また、上位には「Tokyo Disneyland」「Tokyo Sky Tree」「Himeji Castle」「Niseko」「Hakone」などがランクインしており、このあたりは日本人にも外国人にもなじみのあるキーワードだ。

こうした従来から馴染みのあるキーワードに加えて、新しく上位にあがってきたのが9位の「Ghibli Museum」、14位に音楽イベントの「SUMMER SONIC」だ。ジブリ・ミュージアムや音楽イベントであるサマーソニックが多く検索されている点は、観光地だけでなく新しい日本文化を目的に日本を訪れる外国人も多くなっていることを物語っているといえそうだ。

  1. Mt.Fuji
  2. Aokigahara Jukai
  3. Tokyo Disneyland
  4. Tokyo Tower
  5. Tokyo Sky Tree
  6. Hakone
  7. Universal Studios Japan
  8. Himeji Castle
  9. Ghibli Museum
  10. Niseko
  11. Tokyo Dome
  12. Osaka Castle
  13. Gion
  14. SUMMER SONIC
  15. Kabukicho
  16. Arita
  17. Shinsekai
  18. Kiyomizu-dera Temple
  19. Nijo Castle
  20. Akashi Kaikyo Bridge

日本政府観光局(JNTO)の事業連携推進部事業開発担当部長、亀山秀一氏は「サマーソニック目的のお客様が増えているとは聞いていたが、検索ワード上位に入ったことを知り、訪日旅行者と関連性があると感じた。」と感想を述べている。


▼カテゴリー別では、「食」が人気、「枝豆」が2位に

グーグルによると、日本に関する海外の検索を衣・食・住・コンテンツ(マンガなど)・観光(観光施設など)の5つのキーワードで分類すると「食」関連が1位になるという。これは、2015年のミラノ万博のテーマが「食」であることや、2013年には和食が世界遺産に登録されたことなども様々な要因が考えられる。

発表されたランキングを紹介しよう。

  1. Shushi
  2. edamame
  3. ramen
  4. sashimi
  5. tempura
  6. yakisoba
  7. mochi
  8. teriyaki
  9. shabu shabu
  10. miso soup
  11. onigiri
  12. sukiyaki
  13. dango
  14. okonomiyaki
  15. oden
  16. gyoza
  17. takoyaki
  18. unagi
  19. natto
  20. udon

2位の「edamame」は、日本人ならだれもが意外に思うキーワードだろう。グーグルの旅行業界・営業統括部長の松濤徹氏によると、「edamame」と同時に検索されているキーワードは「calories(カロリー)」、「nutrition(栄養)」など。同氏では「世界的に広がる健康志向を受けて日本食への関心が高まりではないか」と分析している。

また、ランキング圏外だが、「karaage(から揚げ)」、「kakkuni(角煮)」、「mentaiko(明太子)」などのキーワードも伸びているといい、日本の食文化への認知が広がっている様子がわかる。なお、イギリスでは「KAISEKI(懐石料理)」の検索が大きく増加しているのも特徴だそうだ。


▼方面別に検索トレンドを見ると、興味が読み取れる

方面別には、食の検索が多いのは北米・欧州・南米、コンテンツ関連は南米、ファッションについては欧州と、エリア毎に特徴が分かれた。アジアは、観光関連キーワードが多く、松濤氏は「地理的な問題や訪問者数が多いため、実際に来るための情報収集をしている」と分析している。

また、同氏は日本の魅力をウェブサイトで紹介する際に「国別の検索データを見ながら、方針を変えていく必要があるだろう」と言及した。また、実際に日本をプロモーションしているJNTOの亀山氏は、観光に関する情報提供でネットが「重要性を増している。」との認識。こうした傾向を踏まえ、検索キーワードに反映された旅行者の嗜好を「オンラインマーケティングなどに生かしていきたい。」と語った。

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(トラベルボイス編集部:山岡薫)



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