JTB総合研究所は、1980年代のバブル期に学生や若手社会人だった「バブル世代」を対象にライフスタイルと旅行消費に関する調査を行ない、彼らの旅行への関心が高いとの結果を発表した。ただし、一口にバブル世代といってもさまざまタイプがおり、進化したバブル世代に対する戦略が重要と注意を促した。
調査によると、バブル世代の世帯年収は600万~800万未満(21.3%)が最も多く、気に入ったものは「本当に良いものならば予算を超えても購入する」(46.4%)という消費意向が約半数。「今後5年ぐらいの間にお金をかけたいこと」の問いは、「旅行」(46.8%)が2位の「自分の将来のための貯金」(36.7%)を約10ポイント上回る最多の結果となった。
ただし、同居する家族別に見ると、「夫婦と子ども(末児が未就学児)」と「夫婦と子ども(末児が18歳以上)」は、「子どもや孫の教育」が約65%で最も高く、子育て層では子供や孫に対する消費や貯蓄が旅行よりも重要視されている。
また、日常生活や価値観をベースにバブル世代を5つのグループにタイプ分けした場合、トレンドに敏感で消費意欲が旺盛な従来のバブル世代的なイメージの「高アンテナ」タイプ(トレンドに敏感で気に入ったものは価格こだわらず手に入れたい)や、「積極調和」タイプ(流行は後れをとらないようにチェック)は全体の24%に留まり、7割以上が「トレンドにあまりとらわれず、肩肘張らない生活を求める堅実派に変っていた」と、バブル世代の変化を指摘。
なかでも、「メリハリ消費」タイプ(旅行の際は価格より質にこだわるが、流行には捉われず、無駄のないものが好き)が37%と最も割合が高く、バブル時代の意識を持ちながらも消費を選択しながら生活する層が増えたという。
旅行形態もタイプで異なり、旅行への関心が非常に高い「高アンテナ」タイプ、「モノよりコト」タイプ(旅行への関心は非常に高いが、流行にあまり捉われない)は自分の好きなように手配をする個人旅行を好む。一方、旅行への関心が高すぎず、低すぎないという「積極調和」タイプや「メリハリ消費」タイプはパッケージツアーの利用が多いという。そのためJTB総合研究所では、旅行サービスの提供側は「旅行への関心が非常に高い」層よりも、「そこそこ旅行好き」な層への対応を強め、需要を喚起していく必要があると提言した。
同調査は2013年11月13日~18日まで、インターネットで実施。調査対象は、首都圏、名古屋圏、大阪圏に居住し、過去3年以内に宿泊旅行をしたことがある1959年~1970年生まれの男女1651人。