2014年の航空国内線事情、知っておきたい4つのポイント

航空各社の2014年度の国内線計画が出揃った。今回は、知っておきたい路線計画の4つのポイントを解説する。


▼ポイント1:羽田発着枠政策コンテストの結果反映

今年の特長のひとつが、2013年11月に決まった「羽田発着枠政策コンテスト」の結果が反映されていること。まず、日本航空(JL)は、山形県と共同で提案した政策にしたがって、羽田/山形線を1日1便から1日2便に複数便化する。また、全日空(NH)は、羽田/石見線を1日1往復便から1日2往復便へ、鳥取線を1日往復4便から1日往復5便にそれぞれ増便する。

▼ポイント2:地方路線、復活と新しい取組み

青森空港の定期便が11年ぶり

このほか、JALは、経営破綻時に運休し、現在代替手段がない地域への路線について、「大きな不便をかけている」(植木義晴社長)という認識から、まず夏期限定で再開し、「地元とともに路線を育てていく」考えを示している。対象となる路線は伊丹/松本線(1日1往復便)、伊丹/女満別線(1日1往復便)、新千歳/出雲線(週4往復便)、新千歳/徳島線(週3往復便)、中部/釧路線(週3往復便)、中部/帯広線(週4往復便)。

一方、ANAは2014年7月1日から伊丹/青森線(1日3往復便)と新千歳/青森線(1日2往復便)をそれぞれ開設。11年ぶりに青森空港への定期便を再開することを決めた。また、上記の石見と鳥取のほかに、羽田/函館線など8路線で増便する。ANAとしては、国内線ネットワークの基幹となる羽田発着路線を増強し、内際乗り継ぎの利便性向上を図っていく方針だ。

このほか、ANAは地方路線でアイベックスエアラインズ(FW)とのコードシェアを強化する。自社運航便でのコードシェアに加えて、FWが新規開設する運航の伊丹/新千歳線、伊丹/新潟線および福岡/小松線、運航を再開する伊丹/大分線および仙台/新千歳線、増便する中部/仙台線でも、それぞれコードシェアを実施。リージョナル機(CRJ700NG、CRJ100/200)による運航だが、ローカル・トゥ・ローカルのネットワークを維持していく。

▼ポイント3:成田空港の減便

減便については、JALが8路線で実施。特筆すべきは、国際線へのフィーダー路線としての役割を担っている成田路線での減便が多いことだ。新千歳線は1日3往復便から1日1往復便、福岡線は1日3往復便から1日1往復便、中部線は1日3往復便から1日1往復便にそれぞれ減便する。ANAも、FW運航便とのコードシェアは継続するものの、自社運航の成田/広島線は運休することを決めた。


▼ポイント4:新興・中堅航空会社の動き

スカイマーク(BC)は、2014年4月1日から米子/羽田線(1日2往復便)、米子/新千歳線(1日1往復便)、米子/那覇線(1日1往復便)の新規開設を決定。これにより、成田線、茨城線、神戸線を加え、米子空港を基点としたネットワークが一気に6路線に倍増する。また、神戸/仙台線も1日2往復便で開設する。BCは日本で初めてA330-300を導入。今年3月から羽田/福岡線を皮切りに、新千歳、那覇など羽田幹線に投入していく。従来よりも機材が大型化し、供給座席も増えることから、今後のマーケット動向にも注目が集まる。

スターフライヤー(7G)は、2月20日で関西/福岡線を運休。代わりに3月30日から中部/福岡線に1日3往復便で就航する。中部空港に乗り入れるのはこれが初めてとなる。

エア・ドゥ(HD)は、夏季期間に羽田/帯広線および羽田/女満別線でそれぞれ機材をB737-700からB767-300に大型化し、夏の道東への旅行需要に対応していく。また、HDは2014年度上期の機材計画も発表。新たにB737-700の6号機を10月に導入するとともに、B767-300型1機の客室改修を行い、座席を270席から288席に拡大、6月下旬から投入していく計画だ。

(記事:トラベル・ジャーナリスト山田友樹)


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