アジア太平洋の航空機需要、20年間で新造機は1万940機、世界シェア37%に -エアバス予測

エアバスは、今後20年間(2013年〜2032年)でアジア太平洋地域の航空会社が必要とする新造旅客機および貨物機は1万940機に達すると発表した。これは世界市場の37%を占め、欧州、北米、中東よりも多い予測。金額にすると1兆8000億米ドルとなり、他の市場と比較してワイドボディ機の需要が高いため、金額ベースでは42%を占める。

旅客機の分野では、アジア太平洋市場で運航される機数は現在の4960機から20年間で1万2130機へと2倍以上に拡大する。これは年間の平均成長率が世界平均を上回る5.8%で推移していくと見込まれているためで、現在運航中の機材のうち3770機が入れ替えられると予測している。

アジア太平洋地域では大都市化が進み、2032年度には世界の大都市89のうち25はこの地域に集中することから、航空旅客も増加と予測。エアバスでは、限られた空港発着枠のなかで、拡大する航空需要に対応していくため、この地域で今後20年に必要となるワイドボティ機は4130機にのぼると試算し、そのうち、A380のような400座席以上を装備する大型機の需要も780機程度と達すると予測している。これにより、アジア太平洋地域のワイドボディ機需要は世界全体の46%を占めることになる。

単通路型機市場では、LCCの存在が大きく、2000年以降LCCの運航する機材は約50%大型化されていることから、単通路機のなかでも大型のA320やA321といった機材の需要が伸びるとしている。今後20年間の需要予測は6810機。これは世界市場の3分の1以上を占める。

一方、貨物機の市場でもアジア太平洋地域が世界の需要を牽引する予測している。この地域で現在運航されている貨物機は約300機であるが、2032年には3倍以上の約970機に増加し、世界全体の3分の1を占める見込み。しかし、大多数は旅客機からの転用となるため、新造の貨物専用機の需要は約270機と見込んでいる。他の地域同様、貨物機全体のうち3分の1はA330などの中型の貨物機需要。

なお、エアバス社では、アジア太平洋地域を重要な市場と位置づけ。エアバスにとって中心となる市場である。これまでの総受注のうち31%がこの市場からのもので、現在も2400機以上のエアバス機が同地域の約100社の航空会社によって運航されている。今後も1700機以上が引き渡される予定。これは、エアバス全体の受注残のうち3分の1を超えている。2013年度はアジア太平洋地域から379機の確定受注を獲得。この地域の新規受注の80%を占めた。また、2013年度は331機を納入し、この地域での年間納入機数の半分以上を占めた。

今後20年間の世界市場全体の新造旅客機および貨物機の需要予測は約2万9200機。金額ベースでは4兆4000億米ドルに達する見込み。内訳は、大型機が1,710機、中型機が7270機、単通路型機が2万240機。

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