フォーカスライトJapanの牛場春夫日本代表は、このほど旅行会社の経営者を対象に「米オンライン旅行市場の動向からみる日本市場の将来予測」と題した講演を実施した。フォーカスライトは、2015年に日本の旅行市場ではオンライン取扱比率が40%となる予測している。これは、2010年の27%から毎年2~3%数値を伸ばし、2014年は38%、2015年を40%と予測しているもの。牛場氏は、米国旅行市場のオンライン販売比率がすでに40%を超えていることから、「数年後には日本にも及ぶだろう」と語った。
また、同氏は「旅行業のトランザクションビジネスは機械化される」として、消費者が旅行検討を開始するインスピレーション段階から旅行終了後のすべてのサイクルに携わることが旅行業の活路になることを指摘。これを、「川上に上がること」として、旅行者の以下の場面に対応することを提案した。
- インスピレーション(旅の誘い)
- 調査(情報収集)と旅行計画
- 予約手配
- 着地型ビジネス
- レビューのシェア
これは、旅行会社が行ってきた従来の本業ではなく付加業務だった「旅行前」や「旅行中」、「旅行後」に携わるもの。牛場氏は、とくに旅行中の現地ツアーなどの販売(着地型ビジネス)では間際の予約が多いこと、旅行後の写真交換などはSNSの利用促進が進んでいることを指摘。こうした場面では、モバイルが欠かせないツールとなっており、旅行者を「モバイルで追いかけることが重要」と語った。
さらに、こうした旅行者の旅における全サイクルに接していくためにはフロントラインであるスタッフの重要性が高い点も指摘。個人的なニーズに対応し、顧客が満足する価値、旅行体験を提供するうえで、リアルな旅行会社は「人材育成強化」をすべきであることを強調した。
この講演はエース損害保険とエアプラスが共催した「旅行市場のオンライン化対策セミナー」で行われたもの。オンライン戦略を模索する検討する旅行会社の経営者が多数集まり、熱心に話を聞いた。
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(トラベルボイス編集部:山岡薫)