全世界でローカライズした35言語85サイトを運営、宿泊者のレビュー(クチコミ)数は1000万を超え、26万件以上の宿泊施設を取り扱うHotels.com(ホテルズドットコム)。このほど同社の副社長兼アジア・パシフィック経営責任者アビラム・チャウドリー(Abhiram Chowdhry)氏が来日し、同社のモバイル予約が「大きな波となっている」として同社のモバイルの取組みを語った。
チャウドリー氏によると、Hotels.comが提供するモバイルアプリのダウンロード数は全世界で2500万超。また、モバイル予約が非常に伸びており、全世界では20%のシェアを占めるようになった。日本市場の数値は公表していないものの、モバイル予約は堅調で、特にアプリの利用が伸びているという。これは、日本国内の宿泊だけでなく日本人の海外旅行も同様で、同氏は日本を「モバイルフレンドリーな市場」と認識。また、モバイルからの「検索」(クエリ数:データの検索や更新などの要求)は50%と高い伸びで、消費者の行動がモバイルにシフトしている裏付けを紹介した。
同社の日本語モバイルアプリは2013年11月に刷新して提供を開始している。チャウドリー氏は、好評の理由を、日本人向けの検索機能を強化してスムーズな操作感(ユーザーインターフェイス)を実現することで「直観的な操作が可能となった」ことを強調した。
▼日本のオンライン予約は「伸びる」
日本特化の展開とロイヤリティプログラムが強み
同社は日本市場を「重要な市場」ととらえており、他エリアにみられない日本に特化した戦略を打ち立てている。チャウドリー氏は日本市場について「まだ入っていく場がある」として積極的な展開をしていく姿勢だ。これは、競合サイトが多数存在しているものの、日本の消費者がオンライン予約にシフトをしていることから。拡大した市場を取り込みたい考えだ。特に、日本のLCC普及に注目しており「航空券のオンライン予約が拡大すれば、ホテル予約の市場も伸びるだろう」と考えている。
こうした考えのもと、同社は2014年3月からは新たなブランディング活動を開始。新キャラクターとして犬のパグを「ナンパグ」として長期的に起用していく計画だ。「ナンパグ」は、同社のスポークスマンとしてTVCMや屋外プロモーションなどで消費者に同社サイトをアピールする。
また、10泊の予約毎に1泊の無料宿泊特典が得られるロイヤリティプログラム「Welcome Rewards」(ウェルカム・リワード)を他社との違いとして重要視。チャウドリー氏は「日本では顧客ロイヤリティプログラムが重要」と考えており、日本語スタッフによるコールセンターなどの日本市場独自の展開とあわせてアピールしていく方針だ。
なお、ホテルズドットコムは世界大手のオンライン旅行会社エクスペディアのグループ企業。「航空券とホテル」のエクスペディア、「ホテル特化」のホテルズドットコムとして別ブランドとして展開している。
参考記事>>
- 2015年のオンライン旅行取扱いは40%に、「モバイル」と「人材」に活路
- 旅行・観光で生き残るキーワードは? グーグルからの提言は「デジタルシフト」
- 米国のオンライン旅行市場から読む、今後の市場トレンドは?