インバウンド需要を狙うLCCセブパシフィックが就航、フィリピン旅行の新たな可能性

成田/マニラ線初便に乗ってボラカイ島へ



2014年3月30日に成田/マニラ線(毎日)、中部/マニラ線(週4便)にダブル就航したフィリピンのLCC、セブパシフィック航空(5J)。手頃な価格で利用できる格安航空会社の就航は、約21万人の在日フィリピン人の祖国への往来や家族の日本訪問といったインバウンド需要を見込んだもの。今回はセブパシフィック航空の成田就航便に搭乗し、参加したフィリピン視察旅行を報告したい。


3月30日、マニラから成田に到着したフライトの折り返し便として、初めて成田から飛ぶセブパシフィック航空の多数を占めたのはフィリピン人乗客。就航便セレモニーに出席したフィリピン共和国総領事のマリアン・ジョセリン・ティロル・イグナシオ氏も、「日本からフィリピンを訪れる約43万人の日本人と10万人の訪日フィリピン人双方にとって、セブパシフィック航空の成田就航はとても意義がある」とスピーチで述べた。現在、セブパシフィック航空の成田/マニラ線の乗客は、約8割がフィリピン人でウェブサイトからの直接購入が中心だという。
さて、実際にマニラ行きの便へ搭乗してみたが、約4時間という短時間の旅では、LCCでもさほど乗り心地は苦にはならない。無料荷物は、持ち込み手荷物7kgまでだが、これも持ち込み範囲内でキャリーオンの乗客が多い。成田発の最安運賃8,999円というお手頃感が際立つ。

セブパシフィック航空で面白いのは、機内で行われるキャビンクルーが行うちょっとしたゲーム(家族の写真や持ち物ゲームで一番早く出した人に商品が出る)。セブパシフィック航空のキャクラターグッズなどがもらえるが、ファン作りや機内の雰囲気盛り上げには楽しい。エンターテイメントシステムはないが、就航先の観光情報を中心として200ページ以上ある機内誌(英文)の充実ぶりが目立っていた。国内のエリア記事は興味をそそられるとともに、海外の紹介も充実。東京も「低バジェット旅行」の特集が組まれ、面白く読んでいるうちにマニラに到着だ。



▼マニラからボラカイ島へ、短い日程で充実の旅が可能に

LCC就航で日本人のフィリピン旅行の選択肢広がる

あちらこちらで高層ビルやコンドミニアムの建築が進む、昨今のマニラの開発ぶりには目を見張る。宿泊した「マルコポーロ・オルティガス・マニラ」も新興開発エリアにあって、23階まではオフィスで、24階にメインロビーを設け、そこから44階までをホテルとするスカイホテル形式だ。大規模なショッピングモールは家族連れで賑わい、好景気を感じる。このマニラから、今回の視察ではここからボラカイ島へ、パナイ島(マニラから1時間弱)経由で向かうという旅だ。


ボラカイ島へは、港から高速ボートで30分程度。港に入ってボートからも海底が見えるほどの透明度、そしてホワイトビーチと呼ばれる白砂が広がりリゾート滞在を満喫できる。実際に、マニラ1泊、ボラカイ島1泊、早朝便帰国のためにマニラ泊という超短期滞在だったが、ボラカイ島では半日のスキューバーボートツアーに参加、マニラでは新しいショッピングエリアでフィリピン・フュージョンのレストランにいくなど、週末だけで行ける旅行としては内容の濃いものだった。

フィリピンからのインバウンドという需要増と日本からのアウトバウンドでは予算も日数も限られる人の“安・近・短”の旅先として、このLCCの就航は、また新たな可能性を広げたと言える。

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