米国への日本人旅行者数、2013年は1%増の373万人、デジタル活用でさらなる拡大へ

米国への2013年の日本人旅行者数は前年比1%の373万人で、カナダで、メキシコ、英国に続き日本は第4位となった。一方で日本人の滞在消費額は前年比9%増の180億ドル(約1兆8000億円)でカナダの270億ドルに次いで第2位。これは米国の対日輸出取引のうち37%を占めていることになる。4月6日から開催された米国最大の観光産業トレードショー「IPW2014」の中で発表された。

▼ブランドUSA、「日本市場は重点10マーケットのひとつ、今後も重視」

訪米観光促進組織「ブランドUSA」のクリス・トンプソンCEOは、IPW2014会場で日本からの報道関係者の取材に応じ、「日本は訪問者数では全世界で4位だがロングホールでみると英国に次いで第2位。滞在消費額も多く、重点10マーケットのひとつに位置づけていて今後も重視していく」と述べた。IPW2014開催期間中に日本旅行業協会(JATA)とブランドUSAの合同会議も開催され、JATAとともに設定した2016年の訪米日本人旅行者数450万人の目標に向け引き続き努力していくことも再確認したという。これが達成されればロングホール部門では英国を抜いて第1位、全体でも第3位に浮上することになる。450万人を達成するためのアプローチとして、トンプソンCEOは、「新たなデスティネーションを訴求することで、『アメリカはもう行ったことがある』とか、『主な観光地は行き尽くした』思っている層にも訴求していきたい」と意欲を示した。


▼デジタルを活用したプロモーションを積極展開

左からJATA田川博己副会長、ブランドUSAクリス・トンプソンCEO、JATA越智良典事務局長

ブランドUSAはソーシャルメディアを含めたデジタルマーケティングにも力を入れていく。デジタルマーケティングはリアルタイムで経験(エクスペリエンス)を提供できるのが特徴のひとつ。その利点を活かした「ロードトリップ」というデジタルプロモーションも開始した。ロードショーは人気ブロガーやソーシャルメディアで影響力のあるインフルエンサーがルート66を含む10ルートを体験しながらリアルタイムで観光の魅力を投稿していくというもの。その他、楽天やエクスペディアを初めとしたオンライン専門旅行会社(OTA)との共同プロモーションプログラムを作る予定としている。

IPW2014は今年で46回目となるが、世界70カ国から6200名のバイヤーとサプライヤーが集まり、9万5000を超える商談がおこなわれた。日本からは参加も約100名が参加した他、中国からは109名と過去最高を記録し注目を集めた。次回の「IPW2015」は、2015年5月30日からフロリダ州オーランドで開催される。

今回発表された米国訪問者数と消費額のランキングは以下のとおり。

2013年の米国訪問者数(国別) 合計6980万人(過去最高)

  1. カナダ 2339万人 (前年比+3%)
  2. メキシコ 1434万人 (+1%)
  3. 英国 384万人 (+2%)
  4. 日本 373万人 (+1%)
  5. ブラジル 206万人 (+15%)
  6. ドイツ 192万人 (+2%)
  7. 中国 181万人 (+23%)
  8. フランス 150万人 (+3%)
  9. 韓国 136万人 (+9%)
  10. オーストラリア 121万人 (+7%)

2013年の米国滞在消費額(国別)

  1. カナダ 270億ドル (前年比+6%)
  2. 日本 180億ドル (+9%)
  3. 英国 137億ドル (+8%)
  4. メキシコ 105億ドル (+5%)
  5. ブラジル 105億ドル (+13%)
  6. 中国 98億ドル (+12%)
  7. ドイツ 75億ドル (+9%)
  8. オーストラリア 61億ドル (+12%)
  9. フランス 59億ドル (+11%)
  10. インド 56億ドル (+14%)WS000004

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