2015年5月にイタリア・ミラノで「食」をテーマに開催される「ミラノEXPO」。開催まで約1年を切った2014年6月、イタリア現地よりEXPOのチケット手配やロンバルディア州の観光プロモーションを担うEXPLORA社から幹部が来日。イタリア現地が日本市場を重要市場と捉え、ミラノ万博開催中の日本人旅行者への対応などを発表した。
EXPLORA社のCEO、Josep Ejarque氏(写真右)によると、ミラノ万博には144か国の参加、6か月で2000万人の来場者を見込んでいるという。そのうち、日本人の来場者は15万人の見込みで、同氏は「日本市場のお客様は重要」と語り、2015年に向けて来場者を「さらに大きくなっていく努力をしていきたい」方針を明らかにした。
デスティネーション・マネージメントをする組織としてロンバルディア州の観光全般でプロモーターの役割を果たすEXPLORA社は、ミラノ万博のチケット販売も行う。この万博チケットについては、ミラノ国際博覧会の運営会社Expo 2015が最低枚数を5000枚として様々な条件をクリアする販売契約締結が必要であることを発表されていたが、同社は1枚からチケットを販売(各社3000枚が上限)。BtoBチャネルとして用意するツアーオペレーター用のサイトから購入が可能だ。
また、2014年7月15日からは2015年の現地イベントやおすすめの観光地などの情報提供を行う日本語サイトを公開する。ブログやSNSを通して最新情報を提供していく予定だという。サイトには、協力旅行会社のロゴを掲載することが可能でEjarque氏は「このページを見た個人旅行者が旅行会社の購入につながる可能性がある」として活用を訴えた。
▼「ジャパン・フレンドリー・アコモデーション」を設定
イベント時の客室料金が高騰しない取り決めも
また、Ejarque氏は「ジャパン・フレンドリー・アコモデーション」として日本人旅行者の求める宿泊サービスを提供していく方針も明らかにした。これは、ロンバルディア州を旅する日本人旅行者に快適に旅をしてもらうサービスをそろえたもの。旅行会社は、日本語サイトで認定のホテルから顧客の要望にあったホテルを探すことが可能で、旅行者自身で探すことも可能だという。
「ジャパン・フレンドリー・アコモデーション」の条件は、日本式の朝食、日本語テレビチャンネルを用意し、ホテルスタッフが日本文化を理解すること、客室や共用スペースでの清潔に保つなど。Ejarque氏によると、現在の件数は約20数件で、ホテル確保が困難になる万博期間にもホテル側に空室を用意する状況をつくるように要請していると話す。
また、イベント時に高騰する宿泊料について地域のホテル業界とも協議。万博期間中も30%以上高騰しないような設定をすることを取り決めたという。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)