メキシコ現地駐在員が語る、治安のリスクは理解すれば「マネージメントできる」

このほど開催されたアエロメヒコ航空(AM)の旅行会社向けのセミナーでは、同社が運航するメキシコ現地のメキシコ日本通運から古江忠博氏(写真右)が参加。日本企業の進出が活発なメキシコ現地の状況や、旅行会社が把握するべきリスク、現地滞在の注意点など駐在員の立場からみたメキシコ現地の状況が語られた。




IMG_5716メキシコ観光局のギジェルモ・エギアルテ駐日代表(写真右)によると、2014年のメキシコへの日本人渡航者数は1~4月では前年比で約1割増加しているという。エギアルテ氏は「円高や消費増税などの逆風があるなか、まずまず」の状況であるとの認識。2013年は初めて10万人を突破したが、2014年についても前年比1割増となると見込んでいる。

こうしたメキシコへの渡航者でも活況なのが、ビジネス需要だ。日本企業のメキシコ進出の意欲は強く、自動車産業を中心に年々企業数が増加している。メキシコ日本通運の古江氏によると、2012年の日本外務省調べでメキシコに進出している日本企業は546社。現在の数値は公表されていないものの、現在は100~200社近くが増加しているとみている。

日本企業のメキシコ拠点は、これまで首都のメキシコシティやアメリカ国境に近いティファナに集中する傾向から地方にシフト傾向が進んでいるという。これは、自動車産業の進出が増えたことで、アグアスカリエンテ州やグアナファト州など、メキシコシティ周辺の中央高原エリアへの進出が進んでいることから。現在、進出企業数はメキシコシティを地方が抜いており、さらなる進出が見込まれている。

こうした中、古江氏は「治安の問題はポイントとなる。」と指摘。ただし、ポイントを理解していればリスクを「マネージメントできる」として、事実を知ることの重要性を訴えた。

盗難被害リスクが高いメキシコでは、輸送中のトラックが襲われるなどのことが多い。また、高速道路では明け方など警備が交代する時間帯に高リスクになること、道路舗装などのインフラ整備が不十分であること、物流コストが高いことなどを指摘。古江氏は、「海外進出企業は、事前の現地調査で水や電力を中心に調査するが、こうしたリスクを知って回避する必要がある。」と語り、「旅行会社が現地視察の旅程作成時に参考にできるはず」と提案した。

日常生活で発生するポイントについては、渋滞ひどいことや、無保険車が多く走っているため事故には注意が必要であることを紹介。カードのスキミング被害が多発していることなど、個人の犯罪傾向を知る重要性にも触れた。

また、古江氏は、出張者を空港で出迎える立場として航空便についてアエロメヒコ航空の到着が昼過ぎであり、新しいターミナル2であることから安全性が高い点を紹介。アメリカ経由でのフライトも多く利用されており、そうした際は、同社がVIP対応として、防弾車やエスコート車、ボディガードも手配可能であることを紹介した。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)

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