i.JTB代表取締役社長の今井敏行氏は、日経デジタルマーケティング等が主催する「モバイル&ソーシャルWEEK」で講演し、JTBグループがEC戦略としてオムニチャネルの実現を目指す方針であることを明らかにした。
まずは、2015年5月をめどにネット販売と店舗販売の各会員機能であるIDとポイントシステムを一本化し、ネット予約後に店舗で相談・決済をしたり、店舗で相談・予約後にネットでの決済を可能にする。その際、利用客の帰属とその収入の計上先は「大きい決断をして、店頭に来店したお客様がどういう形態で申し込みをしても、収入を店舗に戻すという考え方を検討している」という。
今井氏によると、同一客でも旅行によって購入先を店頭とネットで使い分けをしたり、店舗で説明を聞いてネットで予約するなど、店頭とネットで回遊することも多く見受けられる。こうした現状にあわせ、「お客様の目線に合わせたシステムを構築する」のが理由。
IDとポイントシステムの一本化により、「店頭で相談した旅行をネット上の『カート』に取り置きし、家族と相談して気に入ればそのまま申し込める。また、家族でネットを見ながら検討した旅行を取り置きし、店頭でその画面をスマートフォンで見せればすぐに詳細な説明を聞くことができそのまま申し込むこともできる」と、具体的な想定も紹介。「お客様の利便性を向上し、店頭スタッフにも還元できる。店舗での時間も有効活用され、新規顧客の取り込みも期待できる」と見る。
なお、i.JTBの2013年の売上高は1600億円で、JTBグループ172社中で3番目を誇る。JTBホームページとるるぶトラベルのユニークユーザー数は、全デバイスで1億5000万人(年間)。このほか、ヤフー等との合弁によるたびゲーターの運営やコンビニ店頭でのチケット発券、NTTドコモのdトラベルなど提携販売も多い。
(トラベルボイス編集部)