公益財団法人日本生産性本部余暇創研は、『レジャー白書 2014~マイ・レジャー時代の余暇満足度~』をまとめた。この白書は、余暇活動調査などをもとに、日本における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的にとりまとめたもの。今回で38回目の調査になる。
余暇関連産業・市場の動向については、2013年の余暇市場は前年比0.8%増(4900億円増)の65 兆2160億円となり、2002年に0.7%増加して以来11年ぶりの前年比増となった。そのうち、観光・行楽部門は同4.0%増となり、前年に続き4%台の伸びとなった。遊園地・テーマパークは過去最高の売上げを更新し、旅行業は国内旅行が大きく伸びた。海外旅行は、円安の影響もあり、出国者数の減少から取扱額は減少。輸送関係では、クルーズも利用者が大幅に増加。鉄道、貸切バス、航空も利用客数を増やした。宿泊関係では、旅館は伸びなかったが、ホテルは大きく伸びた。
また、日本人の余暇活動の現状として、2013年の参加人口の上位4種目は、前年と変わらず「「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」「ドライブ」「外食(日常的なものは除く)」「映画(テレビは除く)」だった。国内観光旅行の参加人数は約5,590万人で、3年連続で首位。ドライブ、外食が前年比でそれぞれ510万人、700万人と減少し5,000万人を下回ったなかで、国内観光旅行は80万人の減少にとどまった。
このほか、順位を上げた余暇種目は音楽会、コンサートなど」「複合ショッピングセンター、アウトレットモール」「動物園、植物園、水族館、博物館」「宝くじ」「ビデオの鑑賞(レンタルを含む)」「ウォーキング」「帰省旅行」「遊園地」などがある。また、今回新たに調査した「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」「ウィンドウショッピング(見て歩きなど娯楽としての)」が上位20位に入った。
余暇生活についての「満足度」「5年後への期待度」「5年前からの向上度」を5段階評価で聞いたところ、満足度、期待度、向上度とも男性より女性のほうが高い結果となった。性・年代別にみると、満足度は男女とも10 代から40 代までは低下したものの、50代で上昇に転じ、70代が最高となっている。とくに 50代から 60代にかけての満足度の上昇が目立つ。
期待度は、10代から50代まで変動はあるものの大きな変化はなく、60代で大きく上昇するが、70代で低下する。女性は男性に比べて、10代から50代までの期待度の変動幅がやや大きく、70代での期待度の低下が大きい。向上度は男女とも10代が最も高く、40代で底打ち、60代まで上昇するものの、70代は60代に比べて低下するという結果になった。
1 人平均十数種目参加している活動のうち、「最も重視する余暇活動」を 1つだけ選んでもらったところ、最も多かったのは、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」で11.7%。2位は「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」で4.8%、3位は「海外旅行」で4.0%、4位は「ウォーキング」で3.8%、5位は「園芸、庭いじり」で3.5%の順位となった。
「最も重視する余暇活動」に対する満足度を5段階評価で聞いたところ、最も満足度ポイントが高かったのは「海外旅行」で「満足している」と「やや満足している」の合計は94.0%に達した。次いで「音楽会、コンサートなど」も「満足している」だけで5割を超えた。
この調査は2014年1月に全国15〜79歳の男女を対象にインターネットで行われた。有効回収数は3,349人。
(トラベルボイス編集部)