KNT-CT連結業績は売上高0.9%増も損失膨らむ、クラブツーリズムが堅調に推移 ー2014年12月第2四半期

KNT-CTホールディングスは2014年12月期第2四半期(2014年1月1日〜6月30日)の連結業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比0.9%増の2022億7600万円と増収となったものの、営業損失は前年同期の10億100万円から11億3000万円に拡大。経常損失は同14億3200万円から9億8400万円に改善したが、四半期順損失は同10億5100万円から12億5700万円に膨らんだ。


▼個人旅行事業

クラブツーリズムは国内・海外とも堅調、「ホリデイ」「メイト」は低調に

セグメント別の概況を見ると、個人旅行事業では、近畿日本ツーリスト個人旅行の「ホリデイ」が東アジア情勢の影響などで低調に推移。国内旅行の「メイト」も関西を除く各方面で厳しい状況が続いた。クラブツーリズムでは、海外旅行部門でヨーロッパやアメリカなどの商品が好調、全体として堅調に推移した。

国内旅行部門は北東北、中部・北陸方面が好調に推移し、バス旅行部門は販売が堅実に伸びた。また、今後一層の市場拡大が見込まれる訪日旅行事業については、当社に「訪日FITセンター」を新設して需要の獲得に努めた。この結果、個人旅行事業の売上高は1173億400万円、営業損失14億8700万円を計上した。


▼団体旅行事業

修学旅行の位置情報システム本格導入など取組み多数で営業利益6億3200万円計上

団体旅行事業では、近畿日本ツーリストがソチオリンピックで出場選手関係者による応援団や個人の顧客を対象に観戦ツアーを企画したほか、FIFAワールドカップブラジル2014で法人の招待旅行を中心に送客した。国内では、東京マラソン2014などのスポーツイベントで積極的な営業を展開。また、修学旅行でのリアルタイム位置情報システム「CCRy(ククリ)」の本格導入を開始し、安全・安心をキーワードに修学旅行需要の取込みに努めた。さらに、グローバル人材育成のパイオニアであるInstitution for a Global Society株式会社と業務提携し、海外研修旅行の営業活動にも力を入れた。その結果、団体旅行事業の売上高は505億5500万円、営業利益は6億3200万円を計上した。

そのほか、海外航空券の卸売販売は東アジア情勢の影響から厳しい状況だったものの、地域旅行会社(北海道・東北・中国四国・九州)のグループ内での連携を進め、相互の長所やノウハウの共有化を図ることにより売上高の増加に努め、それぞれの地域に密着した営業活動を展開したことで、その他の売上高は343億5000万円、営業損失は1億9500万円を計上した。

今後も、近畿日本ツーリストが持つ強力なブランドと広範なネットワーク、クラブツーリズムが持つ優れたマーケティング力や商品企画力を合わせ、両者商品の相互販売やチャーター便の共同販売などの取組みを進めていくことで、統合シナジーを生み出していく考え。これにより、2014年12月期通期の連結業績は、売上高4,640億円(同3.5%増)、営業利益43億円(同10.7%増)、経常利益45億円(同27.1%)、当期純利益19億円(同2.0%増)を見込んでいる。

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