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今年もベルギービール・ウィークエンド東京がスタートした。5回目となった今年は、観光地O2Oを加速するリクルートが参加。会場内では主催者と同社が連携して会計アプリを活用し、来場者増加と同社ポイント会員活性化を目指したO2Oイベントを展開している。ベルギービールの提供だけでなく、現地アーティストを招いてのライブやベルギー料理、雑貨の販売などで日本人にベルギーを印象付ける催しとして定着ししつつあるイベント会場でのO2O展開と会計アプリの活用を取材した。
今回展開しているのは「Airウォレットを使って1000円分のベルギービールを飲もう!」と題した企画。リクルートが提供する同社のポイントアプリ「Airウォレット」をダウンロードしてログイン、スマホの位置情報を通じて会場にいることが認知されるとプッシュ通知が送信される。その後、アプリを起動するだけでリクルートポイントが1000ポイント加算されるという流れだ。位置情報をOFF設定しているとポイントは付与されないため、参加者はポイントを得るためには必ず現地に足を運ぶ必要がある。
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ベルギービール・ウィークエンドは全国6都市で展開しているが、今回の取組みは名古屋と東京のみ。すでに4月24日から名5月6日に開催を終えた名古屋会場では、飲食を伴った来場者の約1割がエア・ウォレットを利用して支払いをしているという。イベントを運営するトレインスポットファクトリーのヤン・デ・ボック氏によると名古屋では約4万人が来場しており、新規と既存ユーザーの内訳数は不明なものの4000名が利用したという実績は、一定の効果があったとみていいだろう。
デ・ボック氏は、「名古屋ではチラシやウェブで(エア。ウォレットの特典企画を知って)訪れた来場者が多かった」として集客効果を評価。5万人の集客を見込む東京では、さらに多くの誘客ができるものと期待しているという。
▼イベントのレジでは会計アプリ「Airレジ」を活用
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Airレジは、レストランや小売店舗でスマートフォンやタブレットで注文・販売のレジ登録ができるアプリ。2013年11月に提供を開始から4か月で、契約数が約4万件を突破し、2014年中には10万件を達成する見込みだという。
デ・ボック氏は、イベント運営者として「レジは大切」として、在庫管理や売上人数などをリアルタイムで知ることでスタッフの配置や追加在庫オーダーなどをスムーズに行いたい要望があることを指摘。スピード感をもって対応し、来場者の満足度・イベントの質をあげることが売上向上にもつながるという考えだ。
今年のベルギービール・ウィークエンドでは、6都市すべてに導入したが、スタッフのトレーニングも来場者の反応も良いという。デ・ボック氏は「消費者の声が大きければ、カード決済も検討したい」と、来年以降も新たな取組みをしていきたい意気込みを見せた。
リクルートは、こうしたイベントの活性化に今後も積極的に取り組む方針。「Airウォレット」と「Airレジ」でO2Oと業務効率化を導入した同イベントは、イベント活性化の一例として参考にできそうだ。
なお、2010年に東京1都市で1万5000人の集客で開始した同イベントは、年々規模を拡大。今年は東京・名古屋・福岡・大阪・仙台・横浜の6都市、来場者は15万人を超える見込みの大きなイベントに成長した。東京では9月15日まで開催している。
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(トラベルボイス編集部:山岡薫)