サービス産業生産性協議会は、2014年度第3回「日本版顧客満足度指数(Japanese Customer Satisfaction Index: JCSI)」調査の結果を発表した。今回の調査対象は、衣料品店、各種専門店、旅行、エンターテイメント、国際航空、国内長距離交通、生活関連サービスの8業種・71企業(調査対象企業や指標については下段で紹介/右表はサービス産業生産性協議会資料より)。
このうち、旅行分野の調査対象は13企業で、顧客満足度1位は今回から調査対象に加わったANAセールス(ANA SKY WEB TOUR)が獲得。そのほか「知覚品質」、「知覚価値」、「顧客満足」、「ロイヤルティ」でも1位となった。昨年まで3年連続1位だった一休.comは、僅差で2位に。「推奨意向」で1位となったほか、その他の分野でも「顧客期待」を除いて2位となった。3位のジャルパックは、「顧客期待」で1位となったほか、「知覚品質」、「推奨意向」で一休.comと同率2位だった。
国際航空では、6年連続でシンガポール航空が顧客満足度1位。「知覚価値」で1位となったほか、「顧客期待」「知覚品質」「推奨意向」で2位となった。顧客満足度2位はJAL(日本航空/JL)、3位はANA(全日空/NH)で、JALは「推奨意向」「ロイヤルティ」で1位に、ANAは「顧客期待」「知覚品質」で1位だった。
国内長距離交通の顧客満足度1位は、5年連続でスターフライヤー(7G)となった。各指標の1位はそれぞれ別の企業となったが、スターフライヤーは「知覚価値」「推奨意向」で2位になった。その他の1位は「顧客期待」がANA、「知覚品質」がJR東海、「推奨意向」はJR九州、「ロイヤルティ」はJR東日本で、「知覚価値」はジェットスター・ジャパン(GK)がランクイン。「知覚価値」は3位にピーチ・アビエーション(MM)、5位にエア・ドゥ(HD)、6位にソラシド・エア(6J)など、LCCや新興航空会社が目立った。ちなみに、ジェットスター・ジャパンは顧客満足度の4位にもなっている。
なお、エンターテイメントの顧客満足度1位は、劇団四季が返り咲き。昨年首位の東京ディズニーリゾートは2位となった。
【旅行の調査・指数化対象:計13企業・ブランド】
- 一休.com、ANA セールス(ANA SKY WEB TOUR)、エイチ・アイ・エス(HIS)、クラブツーリズム、近畿日本ツーリスト、ジェイティービー(JTB)、じゃらんnet、ジャルパック(JAL eトラベルプラザ)、日本旅行(旅ぷらざ・赤い風船)、阪急交通社(トラピックス)、楽天トラベル、るるぶトラベル、読売旅行
【国際航空の調査・指数化対象:計8企業・ブランド】
- アシアナ航空、ANA、JAL、シンガポール航空、タイ国際航空、大韓航空、デルタ航空、ユナイテッド航空
【国内長距離移動の調査・指数化対象:計12企業・ブランド】
- 国内航空:エア・ドゥ、ANA、JAL、ジェットスター・ジャパン、スカイマーク、スターフライヤー、ソラシド・エア、ピーチ、新幹線:JR九州、JR東海、JR西日本、JR東日本
【エンターテイメントの調査・指数化対象:計6企業・ブランド】
- 劇団四季、宝塚歌劇団、東京ディズニーリゾート、東京ドームシティ、ナガシマリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
【各指標について】
- 顧客期待: サービスを利用する際に、利用者が事前に持っている企業・ブランドの印象や期待・予想を示す
- 知覚品質: 実際にサービスを利用した際に感じる、品質への評価を示す。
- 知覚価値: 受けたサービスの品質と価格とを対比して、利用者が感じる納得感、コストパフォーマンスを示す。
- 顧客満足:利用して感じた満足の度合いを示す。
- 推奨意向:利用したサービスの内容について、肯定的に人に伝えるかどうかを示す。
- ロイヤルティ:今後もそのサービスを使い続けたいか、もっと頻繁に使いたいかなどの再利用意向を示す。