観光庁は、自然災害の多い日本で外国人旅行者が安心安全に旅できるよう、2013年度にワーキンググループを設置して災害時の情報提供に関する対策を協議してきたが、このほど観光・宿泊施設、自治体、外国人旅行者を対象に、それぞれ対応策をまとめた。
外国人旅行者向けには、プッシュ型情報配信アプリ「Safety tips」を提供する。日本国内における緊急地震速報及び津波警報を英語で通知ほか、周囲の状況に照らした避難行動を英語で示した避難フローチャートや、周りの人から情報を取るためコミュニケーションカード、災害時に必要な情報を収集できるホームページのリンク集など、訪日外国人旅行者及び在住している外国人向けに災害時に役立つ様々な機能を盛り込んだ。今後は、それらの利用者の声を吸い上げて機能向上を図り、空港や観光案内所など、アプリのプロモーションも行っていく。アプリはAndroid 4.0以降、iOS7.0以降に対応。
観光・宿泊施設向けには、約60ページに渡る「自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドライン」を策定。各施設の緊急時における初動対応マニュアルに、訪日外国人旅行者対応を盛り込む際のガイドラインを示しており、観光・宿泊施設の事業者が地域・施設の状況に即したマニュアルを策定する際に活用してもらおうというもの。
自治体へは「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」を策定。地域防災計画等に訪日外国人旅行者への対応を記載するための指針として、災害時の安全確保のための枠組み、各主体の役割等について基本的な内容を定めたほか、各地域における話し合い、自治体の地域防災計画等への記載の参考として提供する。
(トラベルボイス編集部)