JTB総合研究所がまとめた「海外ショッピングレポート~日本人海外旅行者の動向と購買行動~(2014)」によると、2014年の海外旅行先でのショッピング消費額は平均621米ドルとなり、前回調査の2012年の平均697米ドルより76米ドル減少した。
急激に進んだ円安の影響によるもので、為替レートは2012年の79.82円に対し、2014年は103.46円に上昇。これで平均消費額を換算すると、2012年の5万5620円に対し2014年は6万4198円で、実質的な消費額は約9000円増えたことになる。
JTB総研では、実質的な消費額の増加について、渡航先の変化も要因のひとつと指摘。韓国・中国方面へ旅行する日本人の実数が減少するなか、両国より物価の高いシンガポールやヨーロッパなどへの渡航者が増えたことも影響しているという。景気回復の実感度は「まったく実感なし」「あまり実感なし」が過半数を占めるなか、消費増税による家計圧迫と円安によって旅行先での消費額を抑える人が増えたと、JTB総研では見ている。
行き先別で消費額を見ると、フランス(16.2万円)とイタリア(14.5万円)が突出し、次いでハワイ(9.1万円)、ドイツ(8.5万円)が続く。アジアではシンガポール(6.5万円)、香港(6.1万円)、韓国(4.9万円)、台湾(4.9万円)の順。
性年代別では男性よりも女性の方がショッピングをしており、特に20代女性は自分のための購入品が平均6.4万円と、他のクラスターに比べて1万円以上も高かった。次いで多かったのは60代男性で、自分用が5.0万円、土産用が2.4万円。男性は年齢が上がるほど自分のための消費が増える傾向がある。
調査は2014年9月10日~9月18日まで、日本在住の男女20歳~79歳を対象に実施。条件は過去9か月以内に1回以上の海外旅行をしたことがある人。
(トラベルボイス編集部)