年末年始の旅行予測2014、総旅行人数は3050万人で過去2番目、最長9連休も旅行日数は短期化 -JTB

JTBは「2014年年末年始(2014年12月23日~2015年1月3日)の旅行動向の見通し」で、国内・海外を合わせた総旅行人数が前年比0.3%減の3050万人になるとの推計を発表した。1996年以降の数値では、2013年の3053万人に次ぐ2番目に多い水準となる見込みだ(航空会社の予約状況、業界動向、JTBグループの販売状況、アンケート調査から推計)。

旅行人数は国内旅行、海外旅行とも減少。総旅行消費額が3.5%減の1兆0677億円と減少するなか、平均費用では海外旅行が2.3%増の22万2000円と増えており、この1年で対ドル・ユーロで10円以上の差となった円安の影響が見て取れる。また、国内旅行の平均費用3.7%減の3万800円は2011年年末の3万670円に次ぎ、2012年年末と同じ2番目の低予算となった。

JTBプレスリリースより

今年は12月29日(月)を休むと最大9連休となり、昨年に次いで長期の連休が取りやすい日並びとなった。そのためか、アンケートでは「旅行に行く」と意欲を示した人の割合は13.4%で、前年の13.2%をやや上回る意向となっている。ただし、旅行予定者の旅行日数は平均3.5日で昨年よりも短期化。アンケートで聞いた昨年の旅行との違いでは「親族や友人と会うために遠出をする」が23.0%(7.1ポイント減)と減少し、「仕事が厳しいので昨年より日数を減らす」が3.7%(1.6ポイント増)と増えた。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」では、所定外労働時間が2013年4月以降、前年比プラス推移となっているという。

JTBプレスリリースより

また、旅行予定者の交通手段では、「乗用車・レンタカー」が67.5%(4.2ポイント増)と増えたが、鉄道は15.3%(3.7ポイント減)と縮小。ただし、在来線や私鉄は14%(4.5ポイント増)と拡大した。宿泊場所も、「実家」が3.3ポイント上昇し、旅館やホテルなどの宿泊施設が1.1ポイント減少。以上のことからJTBでは、物価の上昇傾向がある中、旅行でも手段や宿泊場所などを工夫する節約モードが広がっていると見ている。

JTBプレスリリースより

【海外旅行動向】

「ルックJTB」の予約状況では、出発日のピークは12月28日、次いで12月30日。クリスマスが飛び石連休になったため、クリスマス周辺の出発が減少し、年末年始に集中した。方面では台湾やハワイが底堅く、ベトナムやシンガポールなど好調な方面も上昇。売れ筋コースでは東南アジアのビーチの人気も高いという。


▼海外旅行・方面別人数推計(抜粋)

  • アジア合計 41.6万人/4.4%減
    • 韓国 9.2万人/16.4%減
    • 中国 8.9万人/1.1%減
    • 香港 3万人/6.3%減
    • 台湾 6.1万人/5.2%増
    • タイ 3.8万人/5.0%減
    • インドネシア 1.4万人/±0.0%
    • マレーシア 1.6万人/±0.0%
  • 北米合計 5.4万人/1.9%
  • ハワイ 6.1万人/1.7%増
  • グアム・サイパン 4.4万人/2.2%減
  • 欧州合計 7.1万人/2.7%減
  • 大洋州合計 2.3万人/±0.0%
  • その他(中近東・アフリカ・中南米等) 1.0万人/±0.0%

【国内旅行動向】

国内旅行の日数は1泊2日と2泊3日が大きく伸び、3泊以上の旅行は2ケタ減となった。出発のピークは12月31日、次いで1月2日。年始の休みが昨年よりも1日短いため、2日から1泊程度の旅行を楽しむ、という人も多いという。

方面別では今夏、新エリアがオープンしたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の人気は継続。また、今年世界遺産に登録された富岡製糸場を軸とする温泉地や観光地、アウトレットのほか、富士山周辺も好調。年末年始のイベントではプロジェクション・マッピングが全国に広がっているという。また、スキー場についても地震や噴火の影響が懸念されているものの、人気は継続し、今年も好調な推移を見込んでいる。

なお、アンケート調査は2014年10月31日~11月12日まで、全国15歳~79歳までの男女1200名に、専属調査員が個別訪問して実施した。

昨年の発表>>>

(トラベルボイス編集部)

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…