オンライン旅行予約サービス(OTA)事業を行う米エクスペディアは、2015年2月12日、同業の米オービッツ・ワールドワイドを約16億ドルで買収すると発表した。買取価格はオービッツ・ワールドワイドの2月11日付け株価終値を約3割上回る1株あたり12ドルとし、全額現金で支払う予定。
オービッツ・ワールドワイドは2001年に米国・大手航空会社5社の出資により設立された企業。そこを強みとして、低価格で航空券やツアーを販売し、規模を拡大してきた。現在ではメインサービス「オービッツ(orbitz.com)」のほか、「eブッカーズ(ebookers.com)」「ホテルクラブ(hotelclub.com)」「チープチケッツ(cheaptickets.com)」といった消費者向けOTAブランドに加え、旅行会社向けBtoBサイト「Orbitz for Agents」も展開。大手航空会社、金融機関向けのサービス「オービッツ・パートナーネットワーク(orbitzpartnernetwork.com)」、企業向けソリューション「オービッツ・フォー・ビジネス(orbitzforbusiness.com)」など複数のオンラインブランドを独自に運営してきた。今回の買収によりこれらのブランドはすべてエクスペディアグループ傘下に置かれることになる。
同社の代表でCEOのダラ・コスロシャヒ氏は、「オービッツ社は多数のブランドを通じて顧客基盤を確立してきた。私たちはこれらのブランドがエクスペディアファミリーに加わることに心から期待している」とコメント。今回の買収を通じて顧客をさらに拡大、世界中の旅行者に最高クラスの体験を提供していきたいとしている。
米エクスペディアは先月、セーバーグループ傘下だったOTA「トラベロシティ」を2億8000万ドルで買収したばかり。世界的な事業拡大戦略を推し進める同社がトラベロシティとともにオービッツも傘下にしたことで、世界のOTA業界の勢力図に影響を与えることになりそうだ。
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(トラベルボイス編集部)