間もなく発売のアップルウォッチ、旅行・航空関連の専用アプリをまとめてみた

2015年4月24日、米アップルは腕時計型ウェアラブル端末「アップルウォッチ(Apple Watch)」を発売する。すでに日本でも予約が開始され、その利用がどこまで進むのか、多くの注目が集まっている。では、旅行・観光のビジネスではどうなのか――? 今回は、旅行・観光ビジネス分野で各企業から発表されたアップルウォッチのアプリやその機能をまとめてみた。 *冒頭の写真はアップル社ウェブサイトより

ウェアラブル端末とは「着用できる」端末のこと。情報デバイスを体の一部に装着した状態で活用できることから、その利用範囲はスマホを超える可能性も高い。矢野総研は、ウェアラブル端末のなかでもスマートウォッチが優勢して市場形成され、2015年には154万台になると予測している。

関連記事:2015年の日本ではスマートウォッチが154万台に、ウェアラブル端末は全世界で1億台と予測 -矢野総研

今回発売されるアップルウォッチは、アップル社が初めて提供を開始するスマートウォッチ。メッセージ確認や電話、カレンダー、音楽再生といった機能が使用できるほか、心拍数や運動量を測定できるセンサーを利用した「健康・フィットネス機能」を搭載、さらに非接触通信(NFC)機能を使った決済サービス「アップル・ペイ(Apple Pay)」なども利用可能となる。

旅行・航空・観光分野では、以下のような専用アプリが発表されている。


航空関連

  • 日本航空(JAL)

JALが発表したアプリでは、アップルウォッチからの通知により、フライトの運航情報や搭乗口の詳細、搭乗時刻などが確認することが可能。出発10分前までの残り時間をカウントダウン表示されるほか、二次元バーコードによる「タッチ&ゴー」対応で、保安検査場や搭乗口、ラウンジでの手続き簡素化につながる。

関連記事:JAL、Apple Watch向けアプリをIBMと共同開発、搭乗口での手続きも可能に

JAL:報道資料より
  • エミレーツ航空(EK)

エミレーツ航空が発表したアプリでは、旅程の確認をはじめ、発着ターミナルやゲート番号、運航状況、手荷物受取所などフライト情報へのリアルタイムアクセスが可能。ゲート番号や手荷物受取所などが変更された場合の迅速な通知も行われる。

関連記事:エミレーツ航空、Apple Watch用アプリを開発、旅程確認やフライト状況などリアルタイムに発信

エミレーツ航空:報道資料より
  • アメリカン航空(AA)

アップルウォッチ発表の場で紹介されたアプリ。このアプリでは、空港に出かける時間の通知や、フライト情報、ゲート変更情報、手荷物受取所、乗り継ぎ情報などのリアルタイム確認が可能。アップルウォッチを使ったチェックインのほか、機内では到着までにかかる時間の表示も行われる見通しだ。

  • デルタ航空(DL)

デルタ航空ではスマホアプリとして活用されている「Fly Deltaアプリ」がアップルウォッチに対応。機能は、フライトの状況表示、E搭乗券の表示、搭乗開始までの時間案内、到着ゲート、バゲージクレイム番号の通知などが予定されている。

提供:デルタ航空

その他、航空関連ではブリティッシュ・エアウェイズ、ユナイテッド航空などもアプリ公開予定とされている。刻々と変わるフライトや空港での情報をプッシュ通知し、リアルタイムで知らせてくれるアプリは旅行者の利便性を高めてくれそうだ。


宿泊・観光関連

  • スターウッド・ホテルズ&リゾーツ

このアプリもアップルウォッチ発表の場で紹介されたもの。ホテルの予約やその詳細確認ができるほか、ホテルまでの道案内も可能。また、アップルウォッチ自体がホテルの部屋の鍵代わりとなる「キーレス」対応やポイントプログラムとの連携も行われる見通し。

  • Hotels.com

予約済みのホテルに関するお知らせやホテルの画像・住所など予約詳細、ホテルへのルートやチェックイン・チェックアウト情報が確認可能。さらに現在地周辺にあるホテルの直前割引情報も取得可能となる。

関連記事:アップルウォッチに対応したホテル予約アプリ登場、宿泊予約詳細や周辺ホテルの割引情報通知など

Hotels.com:報道資料より
  • インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)

IHGは翻訳アプリ「IHG Translator」のアップルウォッチ版を提供。9カ国語の言語をカバーして英語との翻訳に対応。腕時計に話かける機能や基本フレーズ集から必要な内容を選択できる機能を用意する予定。

関連記事:13か国語対応の無料翻訳アプリ「IHG Translator」がアップルウォッチ対応 -インターコンチネンタル・ホテルズ

IHG:報道資料より

このほか、宿泊施設ではマリオットホテルやヒルトン・ワールドワイドでも、アップルウォッチによるキーレスサービスが開始される見通しとされている。


  • トリップアドバイザー

トリップアドバイザーでは、ユーザーの居場所とその時刻をもとに近隣の観光スポットやレストランなどを案内する機能を搭載。また、GPS機能を用いたルート案内や、距離を用いた範囲や人気順による検索オプションの調整、モバイルアプリやPCサイトと連動した観光情報の保存なども可能。今後さらに機能追加などが発表される可能性が高い。

トリップアドバイザー:報道資料より
  • エクスペディア

オンライン予約サービス「エクスペディア」でも、旅程の一元管理機能として、利用するフライトの発着自国やターミナル・ゲート番号、宿泊先の地図や連絡先などを確認できるほか、それらの情報が変更になった場合のリアルタイム通知機能が搭載される見通し。「必要な情報が一目でわかる」ように工夫したとしている。

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また、アップル社によれば今回ここに挙げたもののほか、タクシー配車サービス「ウーバー」や、日本発アプリとなる路線案内や乗換案内サービス「Yahoo!乗換案内」「ナビタイム」なども、移動時の行動支援となる便利な機能を提供することになる見通しだ。アップル社は、アップルウォッチを紹介するサイトで「今まであり得なかったこともできるように」なること、「かつてないほどパーソナルな体験」をもたらすことをアピールしている。

一方、高機能でセンサーが数多く盛り込まれるために充電なしで使える時間が十数時間というデータも。旅先で電池切れという切ない状況も発生しそうだ。しかし、テクノロジーの進化は日進月歩。課題があれば、順次、アップデートの度に改善されていくことだろう。

今後、こうしたテクノロジーを活用した旅行者へのアプローチが活発化していくことは誰の目にも明らかだ。旅行前、旅行中、旅行後など、さまざまなシチュエーションで「かつてないほどのパーソナルな体験」を旅行・観光ビジネスでも旅行者に提供できる未来は目の前にきている。

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(トラベルボイス編集部:山岡薫)

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