国土交通省がこのほど発表した「2014年の我が国のクルーズ等の動向」調査結果によると、2014年の日本人のクルーズ人口(外航クルーズまたは国内クルーズの日本人乗客数の合計)は前年比2.9%減の23.1万人となった。そのうち、外航クルーズは前年比0.2%減の13.8万人。国内クルーズは前年比6.6%減の9.4万人となっている。
外航クルーズは長期化が顕著、海域別ではアジアが5割超に
国交省は全体で減少傾向になった理由について外航クルーズ全体のなかで日本船社が2013年6月に日本チャーターク ルーズの「ふじ丸」を運航停止したことなどによる影響とした。内訳は、外国船社運航船が前年比3.3%増の12万7000人で過去最高、日本船社運航船は前年比28.1%減の1万1000人となっ ている。
外航クルーズを利用する日本人乗客数の推移は以下のとおり。
外航クルーズを泊数ベースみると、昨年に比べ「7泊以下」が減少し、8泊以上が増加したことで平均泊数は前年の7.4泊から8.9泊に増加。特に、2013年の「8泊~13泊」が全体の13.0%(1万7900人)であったのに対し、2014年は35.3%(4万8600人)となり22.3ポイントの大幅増。クルーズの長期化傾向が示された。逆に「3~4泊」では全体シェアを前年の20.1%から9.4ポイント減の10.7%(1万4700人)まで落とす結果となった。全体として、個人による観光目的の利用が増え、旅行市場のうち気軽にクルーズ旅行を楽しむ風潮がさらに浸透しつつあるといえる。
外航クルーズの泊数別乗客数推移は以下のとおり。
外航クルーズの海域別シェアでは、「アジア」が昨年の40.3%から10ポイント増の50.3%(6万9300人)へと伸長、半数を占める結果となった。「欧州、バルト海」は2位を維持するも、前年の全体シェア21.7%から8ポイント減の13.6%(1万8700人)。続く「地中海(エーゲ海、黒海)」も昨年のシェア17.4%から6.5ポイント減の10.9%(1万5000)。欧州全体地域の全体シェアが前年の40.6%(5万5900人)から32%(4万4100人)まで低下する結果となった。
目的別では、「レジャー目的」が前年比0.9ポイント増のシェア99.7%(13万7400人)で最多。続いて「交流目的」が前年同様のシェア0.3%(400人)。「インセンティブ」「セミナー」「団体旅行」はシェア0.0%となっている。
国内クルーズは「3~4泊」が増加、目的はレジャーが圧倒的多数
国内クルーズ全体は、人泊ベースで乗客数は前年比6.6%減の9万4000人。平均人泊数は2.9泊とここ3年間連続でほぼ横ばいなっている。泊数別にみると、「3~4泊」が昨年のシェア22.0%から25.5%(2万3800人)へと3.5ポイント増。一方、「2泊」では前年のシェア27.6%から24.9%(2万3300人)へと2.7ポイント減となっている。
国内クルーズの人泊数推移(外航クルーズのみ)は以下のとおり。
国内クルーズの目的別では、「レジャー」が前年比0.6ポイント減となるも引き続き圧倒的多数(シェア95.9%、8万9700 人)を占めたほか、「インセンティブ」が1.7ポイント増のシェア2.2%(2100人)、「団体旅行」が0.6ポイント増のシェア1.6%(1500 人)、「交流目的」が1.8%減のシェア0.2%(200人)となっている。
なお、国内発着の外航クルーズを利用した外国時乗客数は、前年比5倍増の3万人と大きな伸びを示している。
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