EC市場規模2014、旅行サービスは7.7%増の2.6兆円、飲食分野はネット予約の成長で急拡大 -経産省

経済産業省は2014年度の日本国内の消費者向け電子商取引(EC)市場規模を、前年比14.6%増の12兆7970億円と推計した。「平成26年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」報告書で発表したもの。EC化率は物販分野(13.5%増の6兆8042億円)のみの発表値だが4.37%となり、5.2ポイント拡大した。

旅行・宿泊が含まれるサービス分野は10.1%増の4兆4816億円で、EC化率は発表されていない。このうち、旅行サービスは7.7%増の2兆6304億円で、サービス分野で最も規模が多い(ビジネスユースの出張は除外。海外旅行は国内事業者に支払う金額のみ計算)。伸び率で見ると、飲食サービス(88.6%増の1764億円)がひときわ高かった。飲食サービスは予約可能な店舗数の急増で市場が拡大したという。

一方、BtoBのEC市場規模場では4.0%増の280兆1170億円、EC化率は0.6ポイント増の26.5%となった。このうち、旅行・宿泊が含まれるその他サービス業は10.7%増の2469億円。EC化率の発表はなかった。

推計値の対象期間は2014年1月~12月までで、上記の数値は広義EC定義(コンピューターネットワークシステムを介した商取引で、その成約金額が捕捉されるもの)によるもの。狭義EC定義(インターネット技術を用いたコンピューターネットワークシステムを介して商取引が行なわれ、成約金額が捕捉されるもの)に限ると、BtoBの場合は5.0%増の195兆5860億円で、そのうち旅行・宿泊を含むその他サービス業は10.7%増の2026億円だった。

このほか、2014年度の報告では「2014年は電子商取引における商品提供者としての個人の参加が目立った年」との記述。BtoB、BtoCを対象とする同調査では対象外としながらもそのトレンドに言及している。CtoCにおいて2014年は、フリーマーケット専用のアプリ「フリマ」の利用拡大を指摘し、CtoCの市場規模を底上げすると展望する。

もう一つのトピックとして、Yahoo!ショッピングのストア出店料と売上ロイヤルティの完全無料化もあげた。これによりストア数が24.3万店と1年で20万以上に急成長。この中には無料化によって多くの個人の出店が促進されたと推測する。報告書ではフリマアプリの利用増加やショッピングモールへの個人出店の増加によって、「BtoCとCtoCの境界線が徐々に曖昧になってきているともいえる」としている。

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