日本政府観光局(JNTO)発表による訪日外国人数を東アジア主要4か国(韓国・中国・台湾・香港)でみると、2015年6月は中国が前年比167.2%増の46万2300人、台湾が同35.8%増の34万5200人、韓国が同21.2%増の25万1500人、香港が同75.4%増の13万7000人となった。中国は全市場を通じて単月最高を記録、台湾と香港もそれぞれ単月最高を更新した。また、4市場すべてが6月単月だけでなく上半期(2015年1月~6月)累計でも過去最高となっている。
韓国・中国・台湾・香港の直近12カ月の推移は以下のとおり。
JNTOでは、韓国の6月が閑散期に当たることに加え、中東呼吸器症候群(MERS)の影響で伸びが鈍化したとみている。ただし、主要路線における旅行会社や航空会社の予約状況は好調で、今後訪日のニーズの高まりが期待できるとする。
大幅な伸びを見せている中国はクルーズ市場も好調で、さらに中国地方都市からの新規就航(鄭州-関西便、鄭州-静岡便、合肥-名古屋便)も相次ぐなど、引き続き訪日意欲の拡大につながる見通しだ。
台湾では円安基調の継続や就航路線の増便のほか、LCCとの共同プロモーションや旅行博への出展といった要因が訪日需要の獲得に寄与。香港でも航空路線増便が好要因となり、さらに旅行価格の高騰を避けて夏休み前に訪日する旅行者も伸びを支えた。
なお、中国・台湾・香港では、MERSを懸念して訪問先を韓国から日本に変更した旅行者が多かったことも訪日旅行者の大幅増の要因になっている。
(トラベルボイス編集部)