エクスペディア・ジャパンは、2015年上半期のインバウンド旅行状況について調査を行った。それによると、エクスペディア経由による訪日外国人旅行者は前年比190%と約2倍に増加。アジアだけに限ると、同246%と約2.5倍に増加していることが分かった。エクスペディアでは、アジア客の大幅な増加の背景には、円安、LCCの増便、地方の訪日施策の強化を挙げている。 *画像は同社の2015年上半期 アジア各国 人気の国ランキング。
また、アジアの主要市場での海外旅行先人気ランキングをみると、大阪が韓国で1位、台湾、香港、タイでも2位に入った。タイを除いていずれも東京を上回っており、東京に対する大阪の訪問比率は、韓国で+76%、香港で+6%、台湾で+4%となった。さらに、訪日外国人旅行者数の伸び率でも、東京の同168%に対して大阪は200%という結果になった。このほか、地方を見てみると、沖縄が同263%、札幌が同276%、福岡が同226%、名古屋が同195%と高い伸び率を残した。
市場別の訪日外国人旅行者の伸び率では、上位7カ国がアジア。1位の香港は同427%で、2位タイの同255%を大きく上まった。また、アジアの中でも旅行市場の規模が大きい韓国、台湾、香港、タイの人気旅行先を調べたところ、いずれの国でもアメリカやタイを抑えて日本が1位になった。
エクスペディア経由の訪日外国人旅行者の比率を東京と大阪で比較してみると、東京ではアメリカからの旅行者が30%と一番大きな割合を占めているのに対し、大阪では12%止まり。一方、韓国・香港の旅行者の割合は大阪であわせて46%、東京では20%と対照的な結果になった。しかし、同じ関西でも京都については、アメリカ29%など欧米からの旅行者が多いことも分かった。
「大阪」がアジア各国から人気、主要国籍で予約1位は「難波」
エクスペディアでは、大阪がアジアからの旅行者に好まれる理由として、東京より安い物価、アジア人の舌に合う濃い料理の味、商店街の多さ、大阪城、京都や神戸などの観光スポットへの近さの5点を挙げている。
さらに、大阪の人気エリアをエクスペディアの予約数を元に国籍別で調べたところ、国籍問わず難波が1位になった。その中でも欧米人は、難波と梅田の宿泊率がそれぞれ約30%であるのに対して、アジア人は約半数以上が難波に宿泊していることが分かった。
この結果から、欧米人が大阪を訪れる場合は、東京/京都という新幹線ルートの流れで入り、そのまま梅田に宿泊して新幹線で東京に帰るか、難波に宿泊して関西空港から帰国するコースが伺え、一方、アジア人は、関空から大阪に入り、大阪を周遊する目的でアクセスのいい難波へ宿泊する傾向があると分析している。
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