2015年も間もなく幕を閉じようとしています。今年もトラベルボイスでは旅行・観光・ITビジネスに関わる様々なトピックスを取り上げてきました。その中で、読者の方々の関心を集めた記事のアクセスによるランキングを発表します(トップ20は下段で一覧)。
首位と2位を飾ったのは、民泊関連の記事。訪日外国人数の増加が続く中、観光業界を超えた社会問題としても民泊の注目度が上がってきました。今年の年間1位には、民泊に関する観光庁の公式見解を聞いた記事、2位にはAirbnbをロンドンで取材した記事がランクイン。どちらも、民泊の議論が沸き上がるとともに長く読まれる記事となりました。
民泊の問題は、まさに現在進行形で規制やルール設定が検討されているところ。一定のルールが設定されて、日本の観光発展の一助になっていくことが望まれます。課題となっている本人確認や鍵のセキュリティなどでは、ICTが解決しそうな技術も見え隠れ。来年もこうした動きやトレンドもお伝えしていきます。
そして、3位になったのは、自治体が発行した「ふるさと旅行券」を考えるコラム。この分野では、オンライン旅行会社(OTA)がその特徴を生かし切ったサービスを展開し、大きなビジネスとなりました。
そして、4位以下にも活発なOTAの動きも数々ランクインしています。世界で進んできたM&AによるOTA巨大化の波は、日本にも訪れつつありそうです。年間トップ20にランクインしなかったものの、12月に発表されたヤフーの「一休」買収で、それを感じた読者も多いのではないでしょうか。
一方、リアル店舗を持つ旅行会社の新たな挑戦もみられました。12位にランクインしているHISの新店舗コンセプトは“予約目的でない旅のきっかけづくり”。JTBはリアル店舗とウェブの会員プログラムを共通化をスタートし、オムニチャネル化を推進しています。旅行販売のオンライン化が進む中、リアルの有効活用はひとつの活路になるのかもしれません。
5位には、政府が観光分析のビックデータを公開した記事がランクインしました。トラベルボイスの読者のデータ活用に対する関心の高さがわかります。日本人も外国人もスマホを片手に旅する時代、様々な移動に関するデータ収集が可能となりました。こうした動きをキャッチして、ビジネスに役立ていきたいものです。
様々な動きがあった、2015年の観光産業。トラベルボイスの年間トップ20の記事は以下の通りです。
1位:個人宅宿泊(いわゆる民泊)の旅館業法下の問題点、現状と課題を観光庁に聞いてきた (2015年8月4日)
2位:個人宅宿泊の「airbnb」は日本で普及するのか?ロンドンで泊まって考えた (2015年4月14日)
3位:「ふるさと旅行券」の効果を考える、過去との違いからネット予約の商機まで (2015年5月19日)
4位:楽天トラベル、宿泊予約の直前キャンセル対策を発表 (2015年7月7日)
5位:政府が観光分析のビックデータ公開へ、旅行者の滞在人口や県外者の比率も (2015年4月21日)
6位:エクスペディア経由の訪日外国人が約2倍に (2015年8月26日)
7位:リクルート、中国人旅行者に日本の飲食店の情報提供、決済アプリ「Alipay」と連携 (2015年9月29日)
8位:ヤフーが旅行システム会社を買収した理由とは? 背景やリニューアル後の評判を聞く (2015年10月6日)
9位:「ウーバー」のインバウンド戦略・旅行会社との連携、シェアリングエコノミーの未来 (2015年11月2日)
10位:「ホテルが満室で予約できない」は本当か? ー宿泊施設ができる対応を考える (2015年8月11日)
11位:2020年に宿泊施設が不足する10都道府県、一番深刻なのは東京都 (2015年8月17日)
12位:HISが新コンセプトで新店舗「旅と本と珈琲と」、予約目的でない旅のきっかけづくりで (2015年9月29日)
13位:ソフトバンクがインバウンド新会社、JTBと提携、中国・アリババ系OTAで訪日販売 (2015年10月28日)
14位:米エクスペディア、個人宅レンタル大手「ホームアウェイ」を買収 (2015年11月6日)
15位:楽天、じゃらん、i.JTBのトップが語る戦略と競合対策、国内3大OTAを比較してみた (2015年11月24日)
16位:星野リゾートとDBJが新ファンド、ホテル・旅館に資金と運営ノウハウをセットで (2014年12月2日)
17位:ブッキング・ドットコム、日本の事業拡大に本腰、コールセンター倍増200名体制へ (2015年7月25日)
18位:外務省、パリの連続テロ事件で注意喚起 -フランス全土に非常事態を宣言 (2015年11月14日)
19位:JTBが着地型旅行で一気にシェア拡大へ、体験予約サイト「アソビュー」に資本参加 (2015年4月22日)
20位:スカイマークが民事再生法を申請、社長交代・上場廃止は3月1日 (2015年1月28日)
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トラベルボイス編集部 山岡薫