ルックJTBが旅行代金の変動型商品を投入する。2016年4月出発以降の新商品から導入するもので、基幹商品のなかで黄色いの表紙の紙パンフレットが対象。申し込みのタイミングによって同じ商品でも旅行代金が違うことになる。従来、半期毎に価格と商品が固定されてきた紙パンフレットのホールセール旅行商品が新たな局面を迎えた。
この発表は、このほど開催されたJTBワールドバケーションズの2016年度ルックJTB新商品発表会で発表されたもの。同社代表取締役社長の井上聡氏は、「ホールセールの革新に挑戦したい」と語り、新たな取組みに対する意気込みを語った。
遅延お見舞金制度や海外空港の乗継ぎをサポートするコールセンターの新設など、新たな施策を打つことで、低迷する日本人の海外旅行市場に積極的なアプローチしていく方針だ。
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変動型商品を投入する理由について、取締役東日本販売本部長の青木哲郎氏は近年の需給環境の変化を挙げた。
ホテル・航空の代金がダイナミックに変わるようになり、こうしたことに「タイムリーに対応するために、代金を変えていく道を選んだ」と説明。さらに、これまでできなかった旅行代金の変更を前提として商品をつくることで、「早いタイミングで商品発表が可能になる」という。
また、これまで需給環境による旅行代金の変更は「お得だね!」のような追加商品を投入してきたが、今後は変動型商品のみで対応する。
青木氏は、従来、ホールセール商品が一物一価だったが、時代や消費者の意識が変わってきていることを指摘。「お客様にも販売店にもわかりやすい商品体系になる」として自信を見せた。
変動型商品のパンフレットは2か月毎に刷新し、パンフレット毎に「旅行代金有効期間」を設定する。有効期間後は、新たな期間と価格を表記したパンフレットを販売店に配置。これによって、パンフレットは年間6回の刷新が必要になる。コストは1.5倍になり、経費がかさむものの「リスクをとって、挑戦する」(執行役員商品戦略部長 縄手伸弘氏)。
トラベルボイス編集部 山岡薫