国土交通省は、2015年中にクルーズ船で入国した訪日外国人旅客数が前年比2.7倍の約111.6万人(概数)に至ったことを発表した。この数字は、2020年の目標としていた「100万人」を5年前倒しで超えたもの。外国船社の日本の港湾への寄港回数は965回、外国船社と日本船社の寄港回数を合算すると1452回となり、いずれも過去最高となっている。
国交省は、今回の過去最高となった外国人旅客数の要因について、中国をはじめ外国船社の寄港回数増加にともない、グルメや買い物といった消費者需要が喚起されたことに言及。クルーズ船は寄港地を中心に多くの観光客を集中的に運ぶことから、地方創生への大きな貢献にもつながるとして、引き続きクルーズ振興に取り組んでいくとしている。
クルーズ船の寄港回数の遷移は以下のとおり。
外国船社の寄港回数は、1位が博多港の245回(前年 99回)。2位は長崎港の128回(前年 70回)、3位は沖縄・那覇港の105回(前年 68回)で昨年3位の沖縄・石垣港と順位を入れ替える結果となった。そのほか、外国船社による寄港回数と順位の遷移は以下のとおり。
外国船社と日本船社の寄港回数の合算では、1位は博多港の259回(前年 115回)、2位は長崎港の131回(前年 75回)、3位は横浜港の125回(前年 146回)。2位長崎港は昨年5位から浮上するなど、九州での寄港数増加が顕著となっている。日本船社と外国船社の合算による寄港回数と順位の遷移は以下のとおり。
今回の発表は、法務省入国管理局の集計による外国人入国者数の速報値での概数(乗員を除く)。調査では、船内で1泊以上するクルーズ船の寄港回数を対象とし、日帰りクルーズは対象外。寄港回数には沖に停泊して乗客が通船で上陸した場合も含む。