日本政府観光局(JNTO)発表による2015年1年間の訪日外国人数(推計)を東南アジア4か国(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア)でみると、タイは前年比21.2%増の79万6700人、シンガポールは35.5%増の30万8800人、マレーシアは22.4%増の30万5500人、インドネシアは29.2%増の20万5100人だった。いずれも2割から3割増の大幅な伸びを記録。インドネシアが初の20万人超え、シンガポールとマレーシアが初の30万人超えを達成。また、タイは4月に東南アジアで初めて単月10万人超を記録するなど年間通じて好調を記録。年計で初めて70万人を突破したほか、10年前(2006年、12.5万人)と比較して約6.3倍に至ったタイ市場の成長率は、中国も超える勢いだ。
2006年から2015年まで、直近10年間の東南アジア4か国の訪日外国人数推移は以下のとおり。
なお、今回の年計は2015年12月の推計値発表に伴うもの。2015年12月は、タイが前年比22.6%増の9万3500人、シンガポールが40.1%増の6万7000人、マレーシアが28.0%増の5万300人、インドネシアが23.5%増の2万9300人。4市場すべてが12月として過去最高となったほか、シンガポール、マレーシア、インドネシアは単月としても最高記録を更新した。
2015年1月~12月までの推移は以下のとおり。
2015年通年の状況としてJNTOは、タイでは航空局の安全性の問題によるLCC運航継続の断念やバンコクでの爆破テロ事件といった逆風もあったものの訪日旅行者数への大きな影響はみられず、訪日プロモーションなども成功をおさめたとする。シンガポールでは、燃油サーチャージ安やエアライン各社のプロモーションなどが奏功したうえ、ピーク期に合わせた女性向け企画なども好調な成果を残した。
マレーシアでは、航空路線の新規就航や各種訪日プロモーションが利用者増に寄与。ムスリムに特化した情報発信なども伸びを下支えした。インドネシアでは、経済低迷にも関わらず安定的な需要が継続。積極的な訪日プロモーションが成功したほか、JNTOが両国間の観光交流に向けて開催したシンポジウムも旅行者増に寄与したとみている。
(トラベルボイス編集部)