総務省は、「利用しやすく安全な公衆無線LAN環境の実現」に向けて、訪日外国人に対する無料公衆無線LANサービスの利用開始手続の簡素化や一元化に向けた取組方針を策定。2月22日から、実証実験をスタートした。
公衆無線LANサービスの利用開始手続の簡素化・一元化については、これまでに多くの地方公共団体や経済団体から、国によるイニシアティブへの期待が寄せられていた。また昨年8月には、総務省と観光庁に加え、電気通信事業者、地方公共団体、観光関係者などが参加する「無料公衆無線LAN整備促進協議会」が発足。訪日外客向けの無料公衆無線LANの整備促進や、利用の円滑化を目指す取り組みが動き出していた。
総務省では今後、まず、共通の技術仕様を策定していく方針。具体的には、Web API方式に基づく技術仕様を策定し、電気通信事業者や地方公共団体、観光関係者などが、利用開始手続の簡素化・一元化を希望する場合に、比較的、簡単な採用方式の普及を図る。
この一環として、2月22日から、Web API方式の技術的有用性などを検証する実証実験を開始。実社会への普及を想定しながら、無料公衆無線LAN利用に当たって収集されるデータの取扱いや、セキュリティの確保、技術仕様に関する検証などを、民間団体からの協力も得ながら、継続的に行っていく。
同時に、電気通信事業者、地方公共団体、観光関係者などが、無料公衆無線LANの利用環境を改善していくために必要な制度上、ビジネス上の課題の解決についても、官民で取り組んでいく。
また実証実験では、訪日外国人に対する多言語での災害情報提供などの仕組みや、車載ルータを活用した無料公衆無線LANサービスと他のサービスとの連携などについての検証なども併せて行うとしている。