JTB総合研究所は「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査(2)」として、リタイヤ期に差しかかる次の新シニア世代、「ポスト団塊世代」と「バブル世代」の消費と旅行行動の実態を発表した。
「ポスト団塊世代」は現在57歳~65歳(1951年~59年生まれ)で、日本の右肩上がりの経済を担った世代。「バブル世代」は46歳~56歳(1960年~70年生まれ)で、バブル期に消費を謳歌した世代で、男女雇用均等法が施行された世代でもある。この5年間の生活の変化として、バブル世代は「子供が大きくなって手が離れた」(24.9%)が全世代で最も多かったほか、ポスト団塊世代は「孫の世話をするようになった」(18.4%)、「介護をするようになった」(9.1%)が高くなるなど、両世代ともライフステージに変化が表れている。
「現在、時間やお金を最も使っていること」は両世代とも「インターネット」が1位で、いずれの世代も7割弱と高い数値となった。バブル世代の96.3%、ポスト団塊世代でも94.3%が、インターネットで決済をした経験があるといい、購入商品も書籍から電化製品、お取り寄せ食品など多岐にわたる。パッケージツアーや宿泊施設などの旅行商品についても、両世代とも6割以上がインターネットで予約。旅行会社の店頭は全体平均の14.0%を下回った(バブル世代12.7%、ポスト団塊世代13.1%)。
ただし、消費のきっかけとなる情報源については、両世代で違いが表れた。特にバブル世代はネットでの情報収集が紙媒体を上回り、「キーワード検索だけ」ではなく、「クチコミ、比較サイト、SNS、ブログなど様々なところから探す」が55.2%と過半数を超えた。これについてJTB総合研究所では、プッシュ配信に慣れているスマートフォンのネイティブ世代よりも、若い頃からパソコンでネットを利用していたバブル世代は様々な情報源から幅広く集めるプル型の情報収集が得意で、抵抗がないとしている。
「今後、時間とお金を使いたいこと」では、ポスト団塊世代では「家族とのお出かけ(宿泊)」(37.9%)、バブル世代では「家族とのお出かけ(日帰り)」(34.3%)が1位。一緒によく出かける人は「配偶者」がポスト団塊世代では66.5%、バブル世代では59.8%と両世代で1位。一方、「孫と一緒に旅行したい」は両世代とも3割を超えた。特にバブル世代は「(孫と)いつも一緒にいて成長を感じたい」が50.0%と高く、JTB総研では次世代シニアについても三世代旅行や中抜き二世代旅行を含む「孫との旅行」にも期待できるとしている。