JTBグループ連結決算、2015年度は売上高1.34兆円で過去最高、経常利益は19.6%増

JTBが発表した2015年度(2015年4月~2016年3月期)のグループ連結決算は、売上高が前年比1.5%増の1兆3437億円で過去最高となった。営業利益は同45.1%増の161億円、経常利益が同19.6%増の224億円。前期に計上したサンルート関連の売却益の影響により、当期利益は14.7%減の126億円となった。

2015年は、アジアNo.1を目指す「2020年ビジョン」実現に向けて設定した2013年~2015年の中期経営計画「“Perfect moments, always” Road to Global Vision 2020」最終年。その中で重要課題に位置づけた国内事業、訪日インバウンド事業、国内事業やグローバル事業、地域交流事業、スポーツビジネスなどの各分野で取り組みを強化した。

その結果、旅行業では国内部門の売上高が前年比5.0%増の6047億円、訪日旅行部門が同25.4%増(一部の単品商品の計上方法変更にともなう結果を調整した実質伸び率は39.6%増)の668億円といずれも好調な推移となったほか、海外部門は同9.0%減の4804億円。また、訪日外国人旅行者向け予約サイト「JAPANiCAN.com」での予約は同91.6%増、主にアジアの個人旅行者向けに着地型商品や体験型商品を扱うブランド「エクスペリエンスジャパン」は同192.0%増と大きく増加した(いずれも人員ベース)。

グローバル事業では、ビジネスモデルとして掲げた「世界発、世界着。」の実現を目指して引き続き積極的な投資を実施。アウトバウンド分野では海外でのMICE営業や教育旅行営業の強化が実践したほか、フィリピンやジャカルタ、クアラルンプール、中国などでの新会社や新規出店などを実現。インバウンド分野は世界共通ブランドとして立ち上げた「Global DMC Network by JTB Group」の認知度向上を目指しておこなった東南アジア・中国でのイベント出展や、現地旅行会社向けプレゼンテーション、個別商談会などを積極化した。これらの施策により、2016年3月末時点の海外拠点数は37カ国・101都市・520拠点となり、海外事業会社全体での売上高は前年比3.4%増の2321億円に至っている。

2016年度は、「2020年度末に取扱額2兆円、営業利益400億円」を目標に掲げた新・中期経営計画を実行。長期的・安定的な成長に向けた基盤の完成とアジア市場での圧倒的No1を目指して取り組んでいく。2016年度の業績見通しは、売上高が1兆3800億円(前期比2.7%増)、営業利益200億円(同23.9%増)、経常利益220億円(同1.6%減)、当期純利益108億円(同14.1%減)としている。

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