「中国のapp(アプリ)トップ20とは?」、「世界のアクティビティ予約の市場規模は?」「Content is KING(コンテンツが最強)」――。そんな言葉が飛び交う「WIT Japan」が今年も開幕した。オンライン旅行のキープレイヤー達がそのトレンドを語り合うオンライン旅行業界の国際会議、初日となる6月2日のブートキャンプには昨年を大きく上回る250名が集結。新たなオンライン旅行のビジネスのコンペや、キープレイヤー達の発言に熱心に耳を傾ける参加者の姿があった。
WIT(Web in Travel)は、2005年にスタートしたシンガポール発のイベント。今年で11年目、日本版の開催は今回で5回目となる。その規模は、オンライン旅行市場の拡大とともに、年々拡大を続けている。
前夜祭の位置づけとなるブートキャンプでは、日本を含むアジア各国のオンライントラベルの業界動向をスペシャリストが発表。特に、中国市場のOTA勢力関係やアプリの活用状況に注目が集まった。2015年には中国の旅行アプリユーザーが約3億9000万人、人口の3割を超えたというデータが発表されると、スマホのカメラを片手にシャッターを切る音が会場内に鳴り響くといった具合だ。詳細については、後日レポートする予定。
また、恒例のスタートアップピッチ(起業家プレゼンテーション)では、9社の若手起業家が新たな旅行を軸にしたビジネスのプレゼンテーションを行った。3日のカンファレンス当日のプレゼンテーションを行うチャンスを得たのは以下の4社。今年も、旅行中の行動(タビナカ)にアプローチするビジネスに注目が集まった。ファイナリストは、カンファレンスの最終で発表される。
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Travel Door (シンガポール)
旅行先でネット接続なしのオフラインで地図が活用できるアプリ。地図上でO2Oを実践するクーポン発行や現地ツアーを紹介。BtoCだけでなく、カード会社や旅行会社などのパートナーが存在し、パートナー企業の会員への発信ができることも強み。
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Pokke by Mebuku (日本)
日本の観光施設向けにオーディオ・ガイドアプリを提供する。独自に作成する余力を持たない中小施設に同社がガイドを作成し無料で提供し、ユーザーの利用料を折半するモデル。
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bound round (オーストラリア)
家族向け、子ども連れで楽しめるアクティビティを紹介するサイト。将来的にはマーケットプレイスにすることを視野にしたビジネス。動画や画像を多く使用したコンテンツが特徴だ。
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There (韓国)
現地アクティビティの予約サイト。サイトからのおすすめを掲載することが特徴で、現在は韓国語のみ。9月には英語や日本語も開設予定。BtoBモデルも構築する方向性。