ワーケーション誘致に関連する支援について(企業)

ワーケーション誘致については二次交通や多拠点居住などと組み合わせるなど、民間による取り組みもいろいろ出てきています。企業が今、多く行っている支援、今後考えられる支援について紹介します。

異業種コラボによる取り組みが多彩に

通信会社や鉄道会社など、さまざまな企業がワーケーションにビジネスの可能性を見ており、続々と実証実験やモニターを開始しています。
NTTドコモは2020年1月に北九州市と連携協定を結び、実証実験をスタートしました。具体的な取り組みのひとつに挙げられるのが「5Gを活用した関係人口の拡大促進」です。北九州市の交通ハブである小倉駅に遠隔ミーティングが可能な環境を整備し、ワーケーション来訪者などを増やすことで、関係人口の拡大を促進し、将来的な移住・定住者の増加を目指すとしています。

JR東日本スタートアップは2020年10月、ワーケーションや多拠点居住の更なる推進に向けてADDress(アドレス)と提携しました。ADDress は月間定額制で、日本全国の拠点に住み放題できる会員サービスで、今回の提携により、JR東日本が展開するホテルファミリーオ・フォルクローロ全館が対象拠点として利用できるようになりました。

これに伴い、ADDressの施設滞在を目的にJR東日本の予約サイト「えきねっと」で乗車券・特急券を購入すると、えきねっとポイントが還元される会員向けモニタープランも実施しています。

近畿日本ツーリスト九州(KNT九州)は、ウェブ制作やシェアオフィス運営などを行うスマートデザインアソシエーションと連携し、福岡県でコワーキングスペースとパーソナルモビリティ(一人乗りの小型電気自動車)を連携させた実証実験を2020年11月から開始しました。
パーソナルモビリティをコワーキングスペースに配備し、利用者は仕事をする合間に周辺をめぐり、地域の魅力を発見しながらリフレッシュできるというものです。
この取り組みはワーケーション誘致の大きな課題である二次交通に対する解決策の一つであり、今後は一歩進んで、MaaSと組み合わせた取り組みも出てくることが予想されます。