旅先テレワーク利用者の滞在先や、仕事をするためのワーキングスペースなど、旅先テレワーク誘致に必要な環境整備について、自治体やDMOが行うべきことについて紹介します。
滞在場所の整備〜インバウンドや移住者向けの取り組みを「スライド」
これまで、多くの地域がインバウンド客の誘致に向けて取り組んでいますが、インバウンドと旅先テレワーク利用客のニーズはかなり共通しています。一般的な国内観光客より滞在期間が長く、同じ場所に連泊するケースが多い、閑散期の需要が見込める、Wi-Fiなど通信環境の整備が求められる、などです。
こうしたニーズに対し、ホテルや旅館などの宿泊施設に求められてきた対応が泊食分離や、近隣の飲食施設との連携などです。観光庁もこうした取り組みを支援しており、インバウンド誘致に向けて、既に地域として促進している自治体やDMOも多いと思いますが、これらはインバウンドだけでなく、旅先テレワーク利用者にとっても必要な取り組みです。旅先テレワーク利用者の誘致は、インバウンド誘致の延長線上にあると考えれば、取り組みやすいと考えられます。
ワーキングスペースの整備〜既にある資源を活用
旅先テレワーク利用者には、滞在先の旅館やホテルの部屋で仕事をしたい人も入れば、気持ちを切り替えるため、寝起きする場所とは違う場所で仕事をしたい人もいます。オンライン会議の時に周囲に気兼ねなく話せるスペースはもちろん、企業主導の旅先テレワークで、ミーティングなどが行える小会議室が必要な場合もあります。
海のそばの地域なら、仕事をしながら海が一望できるなど、地域色を感じられる魅力的なワーキングスペースを整備するのも、ワーケーション誘致に必要な取り組みのひとつです。
新たにハードを作るのではなく、既存の建物や施設を活用しているケースは、各地で既に多く見られます。空き家や廃校、十分活用されていない公共施設などが、魅力的なワーキングスペースになり得ます。自治体やDMOには、そうしたものを効果的に活用するための支援が求められると言えます。
Wi-Fi環境の整備
既存の宿泊施設についても、空き家などを活用して滞在先やワーキングスペースを整備する場合も、旅先テレワーク利用者の受け入れにはWi-Fi環境の整備が必須となります。情報漏洩などのリスクがあるので、セキュリティの高いサービスの導入が必要です。
地元企業などとのマッチング
企業が主体で行う旅先テレワークの場合、研修の一環として滞在先の事業者の視察や交流を希望する場合もあります。そうしたケースに対応できるよう、適した事業者を探して選定し、あらかじめ協力を依頼しておくことで、スムーズな受け入れが行えます。