地方自治体やDMOにとって、旅先テレワークを誘致することが地域にとってどのように役に立つのか。地域活性化や需要の平準化など、地域課題の解決につながる2つの理由を紹介します。
地方自治体やDMOにとって旅先テレワークを誘致することは、どのようなことに役立つのでしょうか。
大きくわけて、以下の2つの理由が挙げられます。
関係人口の創出→地域活性化、少子高齢化対策
「関係人口」とは、元々その地域に住んでいる人や移住者を指す「定住人口」にも、主に観光で訪れた「交流人口」にも属さず、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。(詳細は関係人口とは?旅先テレワークやワーケーションが生み出す可能性を参照)。こうした関係人口を生み出すきっかけとして、期待されているのが旅先テレワークです。
滞在先で仕事をしながら、その合間に観光も楽しむ旅先テレワークは通常の観光旅行よりも滞在が長期化し、いわゆる観光スポットよりもその地域の生活圏に触れる機会が多くなります。訪れた人が地域の人々とふれあったり、地域課題を肌で実感することで、お互いにさまざまな気づきが生まれ、地域の活性化にもつながると考えられます。
また、関係人口から移住定住につながるケースもあり、多くの地域が抱える少子高齢化対策の糸口にもなり得ると考えられます。
繁閑の平準化→雇用の安定、人材育成
多くの観光地が抱える悩みが、繁忙期と閑散期の需要に大きな差がある「繁閑差」です。観光関連事業者にとって繁忙期は人手不足になることがある一方、閑散期は人余りが生じることもあります。繁閑差をできるだけなくすことは、安定した雇用につながるほか、時間をかけた人材育成も可能になり、働く人たちにとっても働きやすい労働環境と言えます。
コロナ禍前はインバウンドが繁閑差の縮小に貢献しましたが、インバウンドの復活がしばらくは望めない中、有望視されているのが旅先テレワークです。仕事と休暇を兼ねているので繁忙期にこだわらず、平日や閑散期に行うことが可能で、通常の観光旅行よりも滞在が長期化する傾向もあり、需要平準化への貢献度はかなり高いと考えられます。