ワーケーションという言葉は、いつ頃から使われるようになったのでしょうか。日本で新たに作られた「和製英語」なのでしょうか?それとも海外でも通じる言葉なのでしょうか。その答えはNOでもあり、YESでもあります。一体どういうことなのか?詳しくは、本文をお読みください。
海外では2010年頃、日本では2015年頃から登場
「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を組み合わせた「ワーケーション」は、和製英語と考えられがちですが、そうではありません。2010年代前半から欧米の主要メディアで使われはじめていました。
日本では国内の大企業としてはいち早く日本航空が、休暇期間中にテレワークを認めるワーケーションを2017年から制度導入していますが、「観光文化」ではこれに先立ち、2015年から和歌山県と同県白浜町がワーケーション事業に取り組んでいたことが記されており、2015年頃から使用され始めたと考えられます。
https://www.jtb.or.jp/tourism-culture/bunka242/242-02/
海外での英語表記は workcation が一般的、でも日本では・・?
ただし注意したいのがワーケーションを英語で表記する場合です。新しい概念ということもあり、これが正しい表記であると定まってはいないのですが、海外の有力メディアでは(いまのところ)「workcation」と表記されることが一般的です。
▼TRAVEL+LEISURE(アメリカ)
https://www.travelandleisure.com/trip-ideas/business-travel/best-remote-working-workcations
▼BBC(イギリス)
https://www.bbc.com/worklife/article/20200318-could-a-workcation-change-how-you-think
▼Travel Weekly(アメリカ)
https://www.travelweekly.com/Hawaii-Travel/Insights/New-campaign-invites-visitors-to-mix-work-and-play
例外的に、ごく一部のメディアでは「work-cation」という表記も見られます。どちらもアメリカの大手テレビ局のサイトですが、CNNの記事は2014年にアップされており、かなり早くからこの言葉が使われていたことがわかります。
▼CNN(アメリカ)
https://money.cnn.com/2014/11/17/luxury/work-vacation/
▼NBC(アメリカ)
https://www.nbcnews.com/business/travel/summer-s-not-over-yet-remote-workers-extend-their-vacation-n1239474
日本ではさらに表記方法が乱立しており、意外と多く見られるのが「workation」です。このほか、まれに「worcation」の表記も見られます。しかし、海外のメディアを検索しても、「workation」「worcation」といった表記は「workcation」よりかなり少なく、日本で発行されている英字新聞「ジャパンタイムズ」では引用符をつけた形で、’ workation’と表記しています。
https://www.japantimes.co.jp/tag/workation/
こう考えると、ワーケーションという言葉自体は和製英語ではないのですが、「workation」や「worcation」といった表記は、和製英語なのでは?と考えられます。このサイトでは英語表記について、発祥地の欧米で一般的に使われている「workcation」で統一したいと考えています。