エアアジアX(D7)の最高経営責任者CEOのアズラン・オスマンラニ氏がこのほど来日、記者会見の場で今後の日本市場における戦略や全社における方針などを発表した。
▼ビジネス倍増を拡大戦略 -2014年には25機体制へ
エアアジアXは、2013年7月にクアラルンプール証券取引所に株式を上場。約3億ドル(日本円で約300億円)の調達に成功しており、すでに日本、中国、オーストラリアなどの路線拡充に充てる。オスマンラニ氏は株式上場について「さらなる成長への投資が可能になる」として拡大戦略をとる考えを明らかにした。
同氏によると、この拡大戦略は今後のビジネスを倍増させることが目標。日本、中国、韓国、オーストラリアなどの各市場ででも事業を拡大、特に中国に注力する考えだ。機材については、現在11機で運航しているが、2013年末までに新たに7機追加、2014年にはさらに7機追加して25機体制を目指す。
▼東京/バンコク線に意欲、バニラ・エア新設に「影響ない」
また、同社の他LCCとの大きな違いが中・長距離路線を保有していること。オスマンラニ氏は、これを「エアアジアグループとして他社LCCと大きな差別化要因」として重要視している。こうした意向を含めて、今回の記者会見では、同社が東京/バンコク線に意欲を高めていることを明らかにした。オスマンラニ氏は「東京/バンコク線が大きな市場であることは承知している。」として運航コストが高い反面、チャンスは大きく、レジャー志向の路線であることが同社の戦略に一致するという考え。同氏は実現の際には、エアアジアXとしてタイに新会社を設立して路線を開設するという具体的な内容にも言及、意欲の高さがうかがえる発表となった。
なお、全日空とのグループ会社であるエアアジア(AK)が共同事業のエアアジア・ジャパン(JW)を解消、ANAホールディングスがバニラ・エアを新規設立することについて同氏は「大きな影響はない。」と表明。さらに「グループとして日本にコミットするのはかわらない」として日本市場での戦略にブレのない姿勢を示した。