エアアジアX、日本市場で新路線、旅行会社との連携強化へ -オスマンラニCEO会見(2)

エアアジアX(D7)の最高経営責任者CEOのアズラン・オスマンラニ氏がこのほど来日、記者会見の場で今後の日本市場における戦略を発表した。同社は、全体の拡大戦略のなかで、日本市場でも積極的な展開をする考え。マレーシア、タイからの観光客のビザが免除になったことは大きなポイントで、さらに空港施設が充実してきたことで双方のレジャー需要が拡大することに期待している。


 ▼キャパシティ倍増、地方路線の新設へ

オスマンラニ氏は会見の場で、日本市場のキャパシティを2倍にしたい考えを明らかにした。既存の東京、大阪を積極展開することに加えて、地方路線の拡充、クアラルンプール以遠の乗継便を拡充することで実現する意向だ。

既存路線の積極展開については、すでに2013年11月から関空路線のデイリー化を発表している。オスマンラニ氏は関空について「ハブとする潜在力がある。」と評価しており、重要な拠点としての位置づけをしている。一方、発着枠が限られる東京路線については「羽田は枠の問題、成田は交渉している」として今後も積極的に取り組んでいく姿勢を示した。

地方路線の拡充は、名古屋、福岡、札幌の新規路線を開設したい考え。オスマンラニ氏は「今後12か月間で3都市の中で一つの都市に就航するだろう。5か年中に3つに就航するだろう。」としている。また、他発着地については、中国やオーストラリアで地域の誘致による就航があった前例を示し、誘致したい空港があれば「検討したい」と表明した。

また、クアラルンプール以遠の乗継便拡充については、エアアジアグループ内での乗り継ぎと同社路線のタイ、インドネシアで拡充したい意向。さらには、新会社設立による東京/バンコク線の設置意向も明らかにしており、積極展開をしていく姿勢が明らかになった。

なお、新規路線、就航地選択の基準として貨物需要が重要なポイントになる点にも言及。貨物は同社総売上げの4.5%をしめているといい、今後拡大戦略のなかで貨物の量、受入れ量もひとつの就航地選択の基準となる。


▼旅行会社経由の販売を倍増へ、営業チームを編成

エアアジアXは、このほど日本支社に旅行会社への営業チームを編成した。これは、航空券流通において旅行会社の販売が大きな役割を示す日本市場に対応するもので、現在の1名体制を今後は増やしていく考え。現在の航空券販売経路は、84%が同社のオンライン、旅行会社は8%。オスマンラニ氏は、これが将来的には「最大でも15~18%が旅行会社経由となるだろう。」と考えている。ただし、LCCの基本として「あくまで直販に力を入れたい」というスタンスだ。

参考記事>>>

エアアジアX、拡大戦略で東京/バンコク線に意欲 -オスマンラニCEO会見(1)



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