森記念財団は、このほど「世界の都市総合ランキング」を発表した。このランキングは、「都市の総合力」を観点に世界の主要都市について同団独自の調査で評価、順位付けをしたもの。世界を代表する主要40都市を選定、都市の力を表す主要な6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)で70の指標に基づいた評価を行った(詳細ランキングは下部に掲載)。
結果によると、総合ランキングのトップ3都市は、1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位パリ。東京は4位で2012年に引き続き同位となった。1位のロンドンは2012年も1位を獲得しており、2013年は居住分野でスコアを下げたものの、経済、研究・開発、環境分野でスコアを上げた。
また、各分野別の1位は「経済」が東京、「研究・開発」がニューヨーク、「文化・交流」がロンドン、「居住」がパリ、「環境」が東京、「交通アクセス」がロンドンという結果に。総合ランキングで上位となった都市がそれぞれの分野で優位性を持っていることがわかる。なお、東京は各分野で上位となっているものの居住では20位、交通アクセスでは10位と順位を落とした。総合ランキングで3位のパリと4位の東京では、スコア差が縮小していることから、同財団は2020年の東京五輪開催の決定を追い風に、ランキングをおとしている分野のスコアがあがることになれば次回は3位になる可能性もあるとしている。
▼観光客からみた都市別ランキング、首位はロンドンに
また、この調査は「アクター別ランキング」も算出、「観光客」からみたランキングも発表している。これは、各都市で活動する人物像を設定し、旅行先検討の際に、「文化的魅力や接触機会」、「安全」、「観光の対象の存在(施設、文化等)」、「一定水準以上の宿泊施設」、「食事(選択肢や値段等)」、「買物(環境や値段、魅力等)」、「目的地までの移動の利便性(所要時間)」の評価基準にたいしてスコアを集計したもの。
結果によると、1位はロンドン、2位にニューヨーク、3位にパリと総合ランキング上位がつづいている。しかしながら、総合で上位だった東京は9位、シンガポールは10位となっている。一方、総合で上位とならなかった上海が4位、イスタンブール5位と順位をあげている(詳細ランキングは下部に掲載)。
【総合ランキング:トップ20】 [ ]内は2012年順位/スコア
- ロンドン 1457.9スコア [1(1452.5)]
- ニューヨーク 1362.9スコア[2(1376.6)]
- パリ 1291.8スコア [3(1349.6)]
- 東京 1275.4スコア [4(1324.9)]
- シンガポール 1113.3スコア [5(1118.6)]
- ソウル 1104.4スコア [6(1081.1)]
- アムステルダム 1061.8スコア [7(1068.3)]
- ベルリン 1039.6スコア [8(1047.3)]
- ウィーン 1015.0スコア[10(1016.7)]
- フランクフルト 995.3スコア [12(966.7)]
- 香港 985.8スコア[9(1038.2)]
- 上海 975.2スコア [14(964.5)]
- シドニー 965.0スコア [15(962.8)]
- 北京 965.0スコア [11(978.3)]
- チューリッヒ 964.8スコア[18(937.9)]
- ストックホルム 948.4スコア[16(961.2)]
- マドリッド 923.7スコア[22(908.6)]
- トロント 921.5スコア [21(925.6)]
- バルセロナ 919.8スコア[13(964.6)]
- コペンハーゲン 919.5スコア[20(929.7)]
【アクター別ランキング:観光客】
- ロンドン 58.4
- ニューヨーク 54.4
- パリ 51.3
- 上海 44.0
- イスタンブール 42.9
- バルセロナ 42.2
- 北京 41.5
- ベルリン 41.1
- 東京 40.4
- シンガポール 40.0
- ウィーン 38.5
- バンコク 38.3
- アムステルダム 38.2
- マドリッド 37.9
- 香港 37.5
- ソウル 37.0
- トロント 34.4
- ブリュッセル 34.0
- フランクフルト 33.1
- ミラノ 32.3
なお、この調査は都市の総合力をランキングするものとしては日本で初めての取り組みだ。調査・研究の推進では、都市評価の世界的権威ピーターホール卿などの学識者や各界の識者等が参画し、第三者の専門家による評価などで客観性を保つ努力が行われた。