JTBとジェットスターグループは、国内線のダイナミックパッケージでの取扱いで販売提携する。これは、i.JTBが運営する「るるぶトラベル」サイト内で、ジェットスターの国内線14路線と全国約16万件の宿泊プランを自由に組み合わせることができるようになるもの。i.JTBは、「るるぶトラベルツアー」の名称で募集型企画旅行として販売する。
両社の連携は6年前からスタート、すでにエースJTBなどでパッケージツアーなどの販売は開始されている。今回の違いは、るるぶトラベルのダイナミックパッケージの航空座席をリアルタイムにジェットスターのシステムにとりに行く点で、価格や座席数などはジェットスター側のウェブサイトと同じということになる。
また、大きなポイントとなるのが払い戻しやキャンセルに対する考え方だ。LCCであるジェットスターグループは同社のキャンセルポリシーで、購入後の払い戻しや日程の変更などができる運賃は限られ、手数料もかかる。しかし、今回販売されるのは現行の旅行業法のもとにある募集型企画旅行。キャンセル・変更料は旅行条件に示されている21日前からの収受することになり、逆にとれば、それまではキャンセル・変更料はかかならにことになる。ジェットスターグループとしては、こうした日本の仕組みにあわせての提携だ。
i.JTB代表取締役社長の今井敏行氏は、今回の募集型企画旅行で販売をすることについて、同社として「リスクをとっている」とコメント。ジェットスター側も、日本の商習慣に合わせての販売となる格好で、日本ならではのLCCと旅行会社の契約条件のもと実現したようだ。
ジェットスター航空のCCO デイビッド・コスカー氏は、今回の提携を「これ以上のパートナーシップはない」とコメント。他国の市場で展開してきたダイナミックパッケージは同社にとって、重要な位置をしめており、日本市場でのスタートしたことについて「業界にとってもいい傾向。」という考えをしめした。そして、ダイナミックパッケージは「通常のパッケージを上回る売り上げになるだろう」と想定している。
なお、今後の国際線での展開については未定。JTBとしては今後の需給バランスをみて検討をするという。
▼ジェットスターとの連携で「新規の若年層」が
JTBは、2012年7月からエースJTBでジェットスター利用のツアーを販売している。今井氏によると、沖縄などは前年比180%で推移と非常に好調だという。そして、大きな特徴として従来の中高年以上が多かった客層に加えて、新規の若年層が入ってきている点だ。こうした点は、LCCが新しい市場を開拓する、という点が現実になっている点なのかもしれない。
なお、今井氏は、今回の取組みでダイナミックパッケージによる取扱い額を「2015年までに取扱い額の20%まで引き上げたい」考え。ダイナミックパッケージの取扱い額は公表していないが、2013年は同社の目標取扱い額800億円のうち10%としたいものの現状は届かないところだという。