英国、外国人旅行者4000万人を目指して観光見本市を開催

2014 年3月17日、英国の観光見本市「Hosted Buyers Marketplace (HBM)」がロンドンで開催された。主催は英国政府観光庁(VisitBritain)とヨーロッパツアーオペレーター協会(ETOA)。2012年から始まり3回目となる今回のHBMは、210社245にのぼるサプライヤーと32ヶ国から集まった228のバイヤーが集まり、8500以上のアポイントを実施。今回はその様子をレポートする。

▼2013年英国への海外からの旅行者は3200万人、

2020年に4000万人を目指し、4つの戦略を構築

英国政府観光庁チーフエグゼクティブ、サンディ・ドゥ 氏

開会の挨拶に立った英国政府観光庁チーフエグゼクティブのサンディ・ドゥ(Sandie Dawe) 氏は「 2013年、英国は海外から3300万人の訪問を迎えた」と昨年の実績を紹介した。ドゥ氏によると、2013年は画期的な年で、2007年以来最多の外国人旅行者が英国を訪れ、英国内消費額210億ポンドと前年比13%アップを記録したという。ロイヤル・ウェディング、ロンドン五輪と大きなイベントが続いて英国に焦点が当たったこと、また英国の可能性を様々な観点から全世界に紹介する「GREATキャンペーン」も効果をもたらした。

英国政府観光庁では、2020年に4000万人の訪英客獲得を目指しており、以下4つの戦略を立てている。

  1. 英国のさらなるイメージアップ。強みである史跡や伝統、現代の文化に加えて自然美やフード、バリュー、おもてなしなどを強化
  2. キーとなる市場の観光業界との連携強化
  3. 英国のパッケージ商品のさらなる形成
  4. 航空路線増とビザの緩和など英国へのよりよいアクセス。

これらによってキー・マーケットである米国、フランス、ドイツ、オーストラリア、スペインと、エマージング・マーケットであるロシアと中国を中心にマーケティング等の強化を図る。

なお、日本からの旅行者については、2012年は24万3千人(24位)、消費額3億6千ポンド(17位)とアジアではとツプであるものの、2013年は訪英者数で対前年−7%のマイナス成長となる予想。ドゥ氏は「日本についてはここ10 年は横ばいの印象だが、英国は国内でも巡るべき観光要素が多い国。今回、日本の皆様への視察ツアーのようにビートルズやサッカーなどの魅力を持つリバプールや人気の湖水地方をはじめ広がりのある旅行をしていただければと思う。」というコメントした。

▼日本からは10社のバイヤーが参加、

2020年までに日本人旅行者30万人へ

英国政府観光庁日本代表のアシュリー・ハーヴィー(Ashley Harvey)氏

HBMには、日本からは東京と関西、名古屋、広島から10社のバイヤーが参加。新たなディスティネーションやアクティビティ開発のために熱心な商談を行った。それに先立つ視察ツアーも日本からの参加者には、ロンドンだけでははない英国の様々な観光素材を見つける機会となったとの感想が聞かれ、英国政府観光庁日本代表のアシュリー・ハーヴィー(Ashley Harvey)氏は「参加者から非常に有意義だったという感想をいただき、手応えを感じるものとなった」と述べた。2020年までに日本人の訪英30万人まで伸ばすという英国政府観光庁の目標に向けて一つの契機となる充実した内容だったと言える。

▼英国各エリアからの観光アピール

HBMセッションでは、各エリアの観光局や旅行会社が地域の魅力をアピールした。内容は以下のとおり。

  •  リバプール観光局ジェームズ・ウッド(James Wood)氏

「ロンドンのユーストン駅とリバプールのライムストリート駅まで約2時間半、毎時列車はでており、またマンチェスターまでも約20分で行ける。サッカーはもちろん、ビートルズをはじめとする音楽やアート、そしてタイタニック号の母港であった美しい港町の雰囲気も楽しんでもらえる」と歩いて気軽に回れるリバプールの魅力をアピールした。

  •  マンチェスター観光局アン・ニューエン(Anh Nguen)氏

「サッツカーファンには本場のゲームを楽しんでもらえる。チェルシーとマンUといった超人気の試合でない限りは、チケットを取るのは難しいことではない。2014年10月にはサッカーをテーマにしたHOTEL FOOTBALLもオープン予定。また、マンチェスターからイングランド北部、チェスター、リバプール、湖水地方などへも足を延ばしやすい」と述べた。

  •  ツアー会社であるマウンテン・ゴート(Mountain Goat)のロビン・タイソン(Robin Tyson)氏

「湖水地方はビアトリクス・ポターやワーズワースゆかりの地であり、湖やウォーキングトレイルなどの自然、庭園や貴族の邸宅訪問など観光要素も充実している 日本の観光客は非常に重要なお客様です」と述べた。日本人に人気の湖水地方はさすがに日本語での資料等バックアップが整っている。

  • ロンドン観光局(London & Partners )のルイーザ・ジャックリー(Louisa Jackley)氏

「オリンピックパークオープンや、前衛的な超高層ビルのザ・シャード内のシャングリラ・ホテルのオープンなども話題。V&Aミュージアムやケンジントンパレスではファション関連のエキシビジョン開催など、華やかなイベントも予定されている」と新しい話題にも触れた。

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