JTBグループで広告制作・販促企画などを行うJプロデュースはユニボイス(Uni-Voice事業企画)社と共同で、訪日外国人旅行者向けに多言語化した情報を2次元バーコードにするオンラインサービス「OMOTENASHI(おもてなし)翻訳」を開始した。外国人旅行者への対応を行う国内事業者は、あらかじめそのバーコードを用意しておくことで、自社の情報を英語・中国語(簡体/繁体)・韓国語の音声と文字で提供可能となる。サービス利用料は日本語500文字程度で4300円から。
この2次元バーコードは日本語文章をもとに生成されるもので、専用アプリを使ってバーコードを読み取ることで、同じ情報を外国語の文字と音声で確認できる仕組み。たとえば日本語で書かれたレストランのメニューや看板のそばにこのバーコードを貼っておけば、日本語を読めない旅行者でもアプリをかざすだけで内容を理解できるようになる。アプリはiOSとAndroid対応で、ネット環境がないエリアでもバーコードの判読が可能だ。
アプリの利用イメージは以下のとおり。
今回開始された「OMOTENASHI 翻訳」サービスでは、ユニボイスの専門スタッフが日本語文章を外国語に翻訳した後、音声を含んだ2次元バーコードコード生成までが行われる。オンラインで申し込みと納品が完結可能で、比較的平易な文章を対象にする場合は「カジュアル版」(4300円。日本語500文字までを1つのバーコードに収納)、固有名詞などが含まれる文章が対象で第三者によるチェックも行う場合は「スタンダード版」(11000円。日本語650文字まで)と2コースを用意。専門性の高い文章やその他の言語には個別対応可能とし、今後、屋外施設で利用する金属パネル素材やシールへのオンラインプリントサービスも行う予定としている。
今回採用された「翻訳+音声コードUni-Voice」の技術は、もともと日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)がユニバーサルデザイン対応目的で開発し、ユニボイスが各業界向けに事業展開しているもの。今回、訪日外国人旅行者向けのプロモーションを行うJプロデュースと提携することで、訪日旅行者の利便性や国内事業者の外国人受け入れ環境をサポートする体制を整えた。今後拡大する訪日外国人受入体制整備の基盤ユニバーサルデザイン技術となることを目指すほか、2016年に施行される障害者差別解消法対応への活用も期待するとしている。