国内空港58社の売上高ランキング、首位・羽田が全体の約5割を占有、増加率は但馬空港がトップに

東京商工リサーチによると、全国の主要な空港ターミナル経営会社58社の2014年度決算(2014年4月~2015年3月期)の売上高は、前年比12.3%増の2901億円となった。企業別の1位は日本空港ビルデング(羽田)で、訪日外国人旅行者増を受けて国際線旅客数が40%増と大幅な伸びを記録。売上高も19.2%増の1410億2400万円で圧倒的な首位。58社合計売上高の約半分を羽田が占めるかたちとなっている。

58社のうち約7割(全体の68.9%)の40社が増収となったほか、自己資本比率5割超の会社が8割の47社を占めた。経常赤字は福島空港ビル1社のみとなった。東京商工リサーチでは昨年に引き続き、空港ビル会社は高収益で健全な財務体質を維持していると付記している。

売上高上位10社は、昨年と同じラインナップとなった。1位の日本空港ビルデング(羽田空港)に続き、2位は北海道空港(新千歳空港)が前年比6.6%増の504億2035万円、3位は福岡空港ビルディング(福岡空港)が18.1%増の210億1627万円。次いで、大阪国際空港ターミナル、那覇空港ビルディングの順。

大都市圏のほか、東京へのアクセス手段として航空利用が一般的な九州の空港ビルが上位に入った。売上ランキング上位10社は以下のとおり。

東京商工リサーチ:報道資料より

なお、売上高増加率のトップは、2015年1月から全国で初めて県から空港ビル会社に運営移管がおこなわれた但馬空港ターミナル(前年比55.0%増)。2位は、富士山静岡空港(同37.9%増)で、富士山や東京・京都・大阪を結ぶ拠点として、中国路線やチャーター便増加が寄与した。

経常利益額でも、トップは日本空港ビルデングで76億9100万円(前年度比81.9%増)。次いで福岡空港ビルディング、那覇空港ビルディング、大阪国際空港ターミナル、北海道空港と大規模空港ビル会社の順となった。唯一赤字となった福島空港ビルは、原発事故以来国際定期便の縮小が原因となり3年連続で経常赤字を計上。ただし、東京電力の損害賠償金が特別利益に計上され、最終利益は5700万円の黒字となっている。


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