GMOリサーチはこのほど、日本の観光資源や印象に関する日中比較調査をおこなった。それによると、「富士山」「東京ディズニーリゾート」は日中両方で認知度が高い一方、中国人でも訪日経験によって傾向が異なることが判明した。
たとえば「京都国際マンガミュージアム」「川村記念美術館」といった文化施設や、「阿寒湖温泉」「大阪天神橋筋商店街」といった地域は、日本人の認知度は低いものの訪日経験を持つ中国人に広く認知され、訪問意欲も高い。また、訪日経験がない中国人では、「ラーメン」「日本酒」「江戸前寿司」など、日本の「食」に関する認知度が高い結果となっている。
反面、「白川郷」「江ノ電」などは、日本人による認知度の高さに比べて中国人は低い傾向も示されている。
日本の観光資源についての認知度は以下のとおり。
また、日本に対するイメージでも、訪日経験の有無で異なる結果が示されている。訪日経験がない中国人では「南京大虐殺」「抗日戦争」といった複数の言葉によるネガティブイメージが強かった。一方、訪日経験のある中国人では「きれい」「礼儀」「交通」「環境」「秩序」といった言葉を使った好印象が拡大。訪日後はネガティブなイメージが縮小する様子がわかる。
訪日前後での日本に対するイメージの変化は以下のとおり。
この調査は、「日本のイメージ、観光嗜好に関する日中比較調査」として実施されたもの。
観光資源の嗜好については、自然、歴史、文化、産業、食、ショッピングなどに関する複数項目に対する認知度や訪問意向を4段階で質問。その結果を要素間の関係をマップで表現する「コレスポンデンス分析」手法を採用した。日本に対するイメージ調査では、言葉の連想関係からパターンを発見するネットワーク分析手法が使われている。
対象地域は日本と中国。対象者は日本人466名と中国人1355名。中国人のうち「訪日経験なし・予定なし」が452名、「訪日経験なし・予定あり」が458名、「訪日経験あり」が445名。