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フィジー政府観光局、1時間で参加できるサステナブル観光プログラム発表、貢献時間で効果測定

フィジー政府観光局は、地球と地域社会に優しい新しい観光の形として、持続可能な観光プログラム「ロロマ・アワー(Loloma Hour)」を発表した。1時間で手軽に持続可能な行動を体験してもらうことで、エコ意識の高い旅行者にフィジーの魅力を訴求するとともに、文化や環境保全に力を入れている観光地としての評価向上を図る。

「Loloma(ロロマ)」とは、フィジー語で「愛」「思いやり」「優しさ」を意味し、フィジーの人々が日常生活の中で大切にしている価値観。この精神に基づき、旅行者がフィジー滞在中に、自然環境や文化、地域社会へ貢献する1時間を過ごすことを提案する新プログラムを展開する。

フィジー政府観光局の声かけにより、各リゾートが参加。野生動物の保護、地域社会への還元、サンゴ礁の保護、海外線の保護の4つのプログラムを企画し、旅行者に提案する。具体的には、ガイドとの自然散策、伝統的なバスケット編み体験、地域の子どもたちとの交流、サンゴの植え付け、マングローブの植樹といったアクティビティが企画されている。

観光局では、「ロロマ・アワー」におけるインパクトを「旅行者が貢献した時間数」で測定し、初年度は5000時間の達成を目標としている。

日本市場の回復へ意欲

このほど、都内で旅行会社を対象におこなわれた旅行商談会には現地から11のパートナー企業が来日。同時に開催されたメディアイベントでは、フィジー政府観光局の地域統括責任者を務めるロバート・トンプソン氏が観光の状況を説明した。

2024年、フィジーを訪れた海外からの観光客は約100万人。そのうち日本からの訪問者は9500人で、前年の7748人から22%増加した。コロナ前の2019年には1万4868人の日本人が訪れており回復途上であるものの、トンプソン氏は「日本はフィジーにとって重要なマーケットのひとつ。今後さらに成長させていきたい」と回復への意欲を示した。

現在、日本からフィジーへの航空便は、フィジー・エアウェイズが成田/ナンディ間に週2便で直行便を運航している。このため、日本からの旅程は5泊8日がメインとなっているが、到着日と帰国日は航空機の出発まで充分時間がとれることから2泊5日の旅程もアピールしている。

フィジー政府観光局の地域統括責任者を務めるロバート・トンプソン氏