KNT-CTホールディングス代表取締役社長の戸川和良氏が、2016年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
2016年は、現在策定中の新しい中期経営計画のスタートの年であることに言及。継続して「近畿日本ツーリスト」と「クラブツーリズム」両社の強みを生かした統合シナジーを最大化する活動を推進。成長領域への移行や先行投資を図りつつ、新たなチャレンジも進めていきたいとしている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
―――――――――――――――
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
昨年の日本経済を振返りますと、企業業績、雇用環境は改善が見られましたが、個人消費を押し上げるまでには至りませんでした。しかし、全体的に見れば緩やかな回復基調が続いており、中国を中心とした新興国の景気減速が懸念されますが、景気は概ね持ち直し傾向が続くと予想されます。
旅行業界に目を転じますと、訪日旅行者数が2020年の政府目標であった2000万人目前のところまで来ました。国内旅行も、新幹線開業によって盛況だった北陸方面の他、首都圏や京阪神地区が好調で、地域差はあるものの全体として堅調に推移しております。一方、海外旅行は2012年をピークに減少傾向が続いており、加えて11月のパリでのテロ事件の影響もあり、旅行者数の回復にはまだ時間を要すると思われます。
このような情勢の下、当社は平成25年1月にスタートした持株会社体制を強化し、引き続き「近畿日本ツーリスト」と「クラブツーリズム」両社の得意分野を掛け合わせた「統合シナジー」の最大化を図ってまいりました。「ふくしまミュージック花火」、「超・恐竜体験!!ディノ ア ライブ in 福井かつやま恐竜の森」、「柳川市新市制10周年記念 水郷柳河おもてなしお堀めぐり」など、両社で手掛けた共同イベントは多くのお客様の好評を博しました。
また昨年は、ウェアラブル端末を活用した「スマートツーリズム商品」の開発、個人旅行店舗でのテレビ電話による案内システムやパーソナルロボット「Pepper」の導入、クラブツーリズムの「生活サポート」「フィットネス」事業への参入など、数々の新たな試みに意欲的に取り組んだ1年でもありました。年間業績につきましても、利益ベースでは大きく改善を図ることができました。
本年は、現在策定中の当社の新しい中期経営計画のスタートの年となります。今年のリオ五輪終了と同時に、“2020 TOKYO”に向けた動きは一気に加速し、特にインバウンドはさらなる拡大が見込まれる反面、「旅行対象人口」の減少によって、発型旅行の需要は今後縮小していくことが予想されます。
そうした環境の中で当社はシナジー効果をさらに高め、成長領域へのシフトと先行投資を図りながら、新規事業や新たな収益源の開発にも果敢に挑戦し、これからの新たな時代を切り拓いて参りたいと思っております。
本年も引続きご支援、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
KNT-CTホールディングス
代表取締役社長 戸川和良