日本旅行業協会(JATA)会長・田川博己氏が、2016年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。 *写真は田川氏。2015年1月に編集部撮影。
田川氏は、2016年がブラジル・リオでのオリンピック開催を経て、次の開催地である日本への本格的な注目度が高まる「日本のツーリズムにとって重要な年」になるとの予見を示した。同時に、JATAでは「海外旅行復活の年」をテーマに海外渡航者2000万人達成に向けた施策を強化するほか、インバウンド2000万人の"次"のステージに向け、量的な拡大のみならず質の向上に注力。「ツーリズムEXPOジャパン」などを通じてBtoBとBtoCの両側面面でプレゼンスを高めていきたいとしている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
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海外旅行復活の年に
あけましておめでとうございます。
昨年は、訪日外国人旅行者数が1970年以来45年ぶりに海外旅行者数を上回るという歴史的な年となりました。訪日外国人の旅行消費額は、過去最高であった一昨年の2兆278億円を大きく上回る3兆円台の半ばに届くかという規模まで拡大し、ツーリズム産業はいわば日本の大きな輸出産業にもなっています。
2030年には国際交流人口が18億人まで増加すると推定されており、18億人を対象に日本のツーリズム産業を考えるという視点も必要になってきています。
今年は、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開かれ、閉会式で次回の開催地として TOKYO、JAPAN がコールされます。日本が世界中から注目され、ツーリズムの重要性が益々高まるとともに、2020 年以降の日本のツーリズムを考えていく重要な年でもあります。
JATAは、2016年を「海外旅行復活の年」として、海外渡航者2000万人達成に向けた需要喚起、市場創造に取り組み、双方向の交流拡大、「交流大国」の実現に努めていきます。地域との連携を強化して国内旅行市場の活性化を推進するとともに、東日本大震災から 6 年目になる東北へは、人の交流を通じた復興支援活動を行っていきます。インバウンドは 2000 万人の次のステージに向けて、量の拡大だけでなく、質の向上や旅行者への「安心・安全の旅の提供」に向けて取り組んでいきます。そして、昨年発表した海外・国内・訪日旅行三位一体の「JATA 政策提言 2015」の施策を、ひとつひとつ実行していきます。
昨年、日本は国連世界観光機関(UNWTO)の理事国入りを果たしました。JATAとしても、民の立場から国際ツーリズムの中で日本のリーダーシップを発揮するため、観光を通じた文化遺産の保護育成に取り組む等、観光と文化の両立をめざす UNWTO の活動に参画していきます。
JATA活動の象徴である「ツーリズム EXPO ジャパン」も、新たにスタートして、“ホップ”“ステップ”“ジャンプ”の3年目の“ジャンプ”の年を迎えます。BtoB と BtoC の両面で、ツーリズムの持つ力と可能性を知らしめる大きな舞台であり、日本のツーリズムのプレゼンスを国内外に発信していきたいと思います。
本年も引き続きご指導ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
日本旅行業協会(JATA)
会長 田川博己